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テンポラリー通信

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2020年 02月 23日

大野慶人追悼展始めるー荒地(12)

吹雪のように高臣大介ガラス展「あふれでる」が終わり、
次回予定秋元さなえ展「ランドスケープ」の合間に急遽大野
慶人追悼の展示をする。
大野一雄の資料は大判ファイル4冊程あるが、慶人さんの
資料はその中でごく僅かだ。
しかし資料は量が全てではない。
私なりに関わった範囲で構成してみた。
そこへ横浜在住・福島浪江ご出身の原田洋二さんから慶人さん
の近年撮影された写真が送られてきたので、大野一雄さんの
遺影とともに飾る事にした。
メイン展示は、「睡蓮」一雄・慶人舞踏のポスター2葉と同じく
ふたりがメインの「天道地道」のポスター1葉合計4葉だ。
「睡蓮」のポスターに揮毫された文字は郡司正勝さんに拠るもの
で、慶人さん最後の舞踏独演「ドリアングレイ最後の肖像」の台本
原案を提供された方でもある。
そしてこの「ドリアングレイ最後の肖像」公演時の資料を展示に
加えた。
さらに1991年9月「石狩の鼻曲がり」のドキュメント本
(かりん舎刊)を10冊積んだ。
最後にふたりの生きた時代・社会を現代として象徴・俯瞰する意味
で現代美術作家沖縄・豊平ヨシオの作品を一点飾った。
大野一雄のニューギニアの戦場・捕虜生活、帰還の水母と死者の
海を、そして10歳にして初めて父の顔を見た慶人さんの子の孤独
な心の亀裂を、豊平ヨシオの作品は現代に通底して顕していると
私は感じているからである。

 私はなにをしてきたのだろうか?
 いつのまにか”舞踏”にいたのです。
 どうかお許し下さい、勝手な行為。
 お時間がございましたら、どうかお出かけ下さい。

 いつも心から感謝しております。
 
                   大野慶人拝
今回資料ファイルから出て来た慶人さんのメモ書き。
生涯父と人前で呼ぶ事のなかった子・慶人の孤独な舞踏の道
を、私は私の生きている現在、その見えない根の呟きを深く
呑み込む様に見詰めていた。

*大野慶人追悼展「記憶と現在」-2月25日ー3月8日
 am12時ーpm7時:月曜定休・水・金午後3時まで。
*秋元さなえ展「ランドスケープ」-3月17日ー22日

 テンポラリ―スペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503



by kakiten | 2020-02-23 17:56 | Comments(0)
2020年 02月 09日

八年目の源泉ー荒地(11)

札幌偕楽園緑地・清華亭に湧く琴似川源泉、アイヌ語名
ヌプサップメム(野傍の泉池)に、今はない泉をテーマ
に始まったこのシリーズ。
8年目の今回ひとつの節目、達成感を感じる。
一週目の器主体の展示中の暖冬天候が今週に入り一転。
真っ白な大雪と寒気によって、軒下の氷柱が伸び、地上の雪面
の反射光が見事に作品を浮き上がらせている。
八百本の展示中央の作品群は、あたかも溢れる泉の池のように
陽光を煌めかせている。
大介の泉池だ。
後は溢れ出て川となり、世界の河口へ向かうが良い・・・。

昨夜は美術館のÝ氏、新聞社文化部だったi氏が来て、気持ち
の入った良いお酒を飲んだ。
このふたりがこんなにも酔った姿を見たのは初めてだった。
このふたりが酔ったのはお酒の所為ばかりではない。
作品の保つ力に拠る処が多い。
作品の発する美音と美光にも酔ったのだ。

今日最終日。
天気にも恵まれ美しい午後の光が会場に溢れている。
高臣大介、八年目の「野傍の泉池」。
見事なフイナーレであり、新たな出発である。

*大野慶人追悼「記憶と現在」-2月25日ー3月8日
*秋元さなえ展「ランドスケープ」-3月17日ー22日

 テンポラリ―スペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503


by kakiten | 2020-02-09 15:56 | Comments(0)
2020年 02月 04日

後期展示「あふれでる」ー荒地(10)

朝初めて高臣大介展後期インスタレーションを見て
感慨深いものが湧き上がる。
2012年2月かって泉池があった清華亭のハルニレの
枝に泉の水をイメージして吊り下げた透明なガラスの雫。
そのシリーズが8年の歳月を経て、豊かな暖かい八百本
の透明な森の繁みのように煌めいている。
タイトルの「あふれでる」は深化して、<抱く><抱擁
する・・>ように存在している。
折りから、昨日までの暖冬で軒下に無かった氷柱が今朝は
窓に浮かび、透明な野傍の泉池のガラス柱と呼応している。
愛娘の2歳の野ばらちゃんがガラスに触れ音を流し、ハイ
テンションで走り回っている。
透明で冷たいはずのガラス柱が、暖かな光と音の心躍る
ガラスの梢・森となっている。
泉の水温があたかも冬には暖かく、夏には心地よく冷たい
ように、この透明なガラスの泉たちも、暖かく抱き、響き、
<包みこむ>ような透明感に満ちている。
都市化によって喪われた豊かな泉池。
8年前の泉との出会いが、見事な甦りを今作品として顕して
いる。
窪みーコッネイ(KOT—ne―i)に湧いた野傍の泉池(ヌプ
サムメム)。

琴似川の源泉が喜んでいるぜ。
大介君、ありがとう・・。

*高臣大介ガラス展「あふれでる」-2月4日〈火)ー9日(日)
 12時ー午後7時
*大野慶人追悼「記憶と現在」展ー2月18日ー3月8日
*秋元さなえ展「ランドスケープ」-3月17日(火)ー22日(日)

 テンポラリ―スペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503





by kakiten | 2020-02-04 14:34 | Comments(0)