人気ブログランキング |

テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ

<   2018年 12月 ( 7 )   > この月の画像一覧


2018年 12月 27日

あたふたと初日ー時代というランド(5)

尾道より昨夕野上裕之さん来廊。
私は透析治療で通院。
.入れ違いだった。
留守を山田航さん、中嶋幸治さんにお願いする。
野上さんとは旧知の友人なので、再会・展示と話も弾む事と思う。

今朝忘れていた今年最後の歯の点検予約を思い出し開廊が遅れる。
そして初めて今日作品と対面。
新作「雲のドローイング」Ⅰ、Ⅱ、Ⅲが従来にない宙(そら)を抱いて
いて感心する。
この3点の作品に包含されるように、以前変化の兆しを見せていた旧い
作品の展示が活きている。
木彫の旧作「指」「両手」「カラス」「林檎」、鉛の造形、等々・・。
それらを包含しつつ新作「船底の顔」が異彩を放つ。
赤面の猿のような顔が石の台座に乗り、髪を靡かせて正面を見ている、
何故か不思議なリアリズム漂う作品だ。
近づいてよく見ると髪と見紛うものは均等に切られた新聞紙。
身体性の強い作家でありながら、このように真正面から顔を作品化し
たのを見た事がない。
今回のタイトル「雲間」には、「雲のドローイング」とともにこの
「船底の顔」が、旧作「指」「両手」「カラス」「林檎」が<間>と
して詰まっている気がする。
真っ赤な猿の顔は、新聞紙の束を頭髪にして船底から何かを見据えて
いる。
船大工をして生計を立てている野上裕之の現実を見据える面魂とも
思える、現実と対峙する気迫を感じる。
北の地より尾道に赴き、船大工の仕事に心奪われ、住み着き、子を
三人設けた野上裕之の心の・・<雲間>。
「船底の顔」は、今の彼の生き様を顕している気がする。

*野上裕之彫刻展「雲間」-12月27日ー1月5日
 12時ー19時
 なお作家が在廊する時もあります。前以てご確認下さい。
*佐々木恒雄展ー1月16日ー20日
*高臣大介ガラス展ー2月12日ー24日
*豊平ヨシオ展」-3月5日ー17日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011ー737-5503



by kakiten | 2018-12-27 16:27 | Comments(0)
2018年 12月 26日

野上裕之彫刻展「雲間」-時代というランド(4)

今は尾道で船大工を専業にしている野上裕之君。
2009年2月以来となる明日から始まる彫刻展「雲間」。
2009年2月の個展時、私は豊平ヨシオさんに会う為二泊三日で
初めて沖縄を訪れたのだった。
その豊平さんと今年春沖縄で再会し、豊平さんは26年ぶりに
テンポラリースペースを訪れてくれた。    
その年、年末から新年に架けて2009年2月以来の野上君の個展
が開かれるのも不思議な縁である。
あの時私は個展中の彼に委ねて初の沖縄へと出発したのだから。
当時のテンポラリー通信ブログを読むと、野上君中嶋君に熱く豊平
作品との遭遇を語っていた自分がいる。

あれから約10年。
変わらぬ豊平作品、私生活上は3人の子持ちとなった野上君。
そして透析生活を背負いつつ闘うテンポラリー継続の私。
野上君が今年から明年へと繋いでくれた今回の展示に呼応するように
明年3月、あの青い板地に亀裂の豊平作品は初の展示をここで展開する。
野上君の尾道での船大工の仕事は、私と沖縄を中継ぎをしているのか
も知れない。
そして豊平さんの沖縄の藍・哀を、野上裕之の彫刻が架け橋のような存在
として顕れるような気がする。
私には、私のたった2回の沖縄・豊平訪問と深く分かち難く、寄り添う
ような野上作品が、全く個人的な関係性として顕れるように思われるのだ。

作品は昨日到着し、今日夕刻本人は札幌到着し展示作業。
そして明日個展初日。
この約十年間の架橋がきっと野上君の作品の宙(そら)には詰まって
いるに違いない。

*野上裕之彫刻展「雲間」-12月27日ー1月5日。
 ・年末年始都合により止む無く休廊もあります。
  事前にご連絡下さい。
*佐々木恒雄絵画展ー1月15日ー20日
*高臣大介ガラス展ー2月12日ー24日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503



by kakiten | 2018-12-26 13:17 | Comments(0)
2018年 12月 23日

村上仁美〆飾り展ー時代というランド(3)

昨年末量り売りショップトロッコの依頼で創り好評だった
花人・村上仁美さんの稲穂を使った〆飾り。
今年は一般公開して製作販売を会場で実演している。
友人たちと札幌郊外の水田で自耕・収穫したした稲穂を、稲穂
本来の姿形の美しさを活かした〆飾りは、お正月という時期を超え
て、日本人の稲穂文化を想起させる感動を見る人に与えた。
米粒・ライスだけではない稲文化。
それを見る人の心にふっと想起させたのである。
稲を編んだ畳、それが坪という広さの単位を生み、米粒が発酵
し酒となり、升・合という容量の単位を生んだ。
そして蓑・草履・縄・筵に至る衣食住に深く関わる稲穂の歴史
を思い出させた稲穂の美しいシンプルな〆飾りだった。
お正月だけを意識した市井の派手な正月飾りにない稲穂本来の
姿形が見る人の心をとらえたのだろうか、普段の飾りとしても
欲する人が多かったようだ。

活字印刷の酒井博史さんが、NHKの街角散歩の道内版番組に
出演していた。
事前に担当キャスターが訪れ、何事かと思っていたら番組中
活字印刷の一例としてテンポラリーで2011年以来続けた
吉増剛造展のフライヤー印刷物が目に留まり吉増さんにも取材
した所為と解った。
事前に吉増さんから二通の葉書が来ていたのはその事だった。
番組では吉増剛造の存在感が後半主役の酒井さんを上回って
いた気もする。
150字の文章を先ず私経由で酒井さんにという意向のよう
だったが番組ディレクターの要請で直接送ったと後に吉増さん
から電話で聞いた。
文章の最後にテンポラリースペースの事も書いたよ、と話し 
ていたが番組では触れていなかった。
それよりも個々がそれぞれの領域で伝統の底流を踏まえつつ
頭角を顕してゆく状況の方が、何よりも肝要な事だ。
手仕事の〆飾り、手仕事の活字印刷、手仕事のネオン管・・。
その新たな近代と現代の境目を若い手と目が見詰め、活性化し
ている現実がとても大事な事だ。

*‘村上仁美オリジナル〆飾り展ー12月24日まで。
+野上裕之彫刻展「雲間」-12月27日ー1月5日
+佐々木恒雄絵画展ー1月15日ー20日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503










































by kakiten | 2018-12-23 14:54 | Comments(0)
2018年 12月 22日

寒・暖のインフラー時代というランド(2)

鋭く冷えている。
石油ストーブを焚く。
猛暑の夏、冷たい水が欲しかった。
人は火と水の恵みで生きている。
火と水を宥め、インフラとして調整している人間社会。

給水管が凍結したのかトイレの水が出ない。
暖めても出ないので地中の管が凍結しているのかも知れない。
自宅ではトイレの水槽の浮き球が完全に浮上せず、細い水流が止まらない。
水槽を覗き浮き球を押してやると、どうにか止水した。
灯油が切れて、寒気が身に凍みる。
社会的調整機能が衰えると、水と火が徐々にその野生を露わにする。
人はただただ水と火の野生の前に立ち尽くすだけだ。

人の歴史は自然との間に共生する世界を創りだしてきた歴史でもある。
故郷と呼び、故里と呼ぶ、野生自然が恵みとしてあった場・処。
水と火の日常の小さな欠如に曝されて、猛々しい自然野生を想っている。

*村上仁美オリジナル〆飾り展ー12月23日-25日。
*野上裕之彫刻展「雲間」ー12月27日ー1月5日。
*佐々木恒雄展ー1月15日ー20日
*高臣大介ガラス展ー2月12日ー24日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
     
 



by kakiten | 2018-12-22 14:35 | Comments(0)
2018年 12月 16日

シャンソン訳詞家・高野圭吾の世界展ー時代というランド(1)

峰艶次郎さんの企画による「訳詞家高野圭吾の世界」展が始まる。
札幌生まれのシャンソン訳詞家にしてシャンソン歌手、そして武
蔵野美大出身の絵描き。
札幌の風土とフランスのシャンソンがどう紡ぎあって来たかを、
高野の訳詞を通して知りたいというのが、今企画の峰さんの
テーマだろうか。
昨年の初企画に続き、今回はそこで知り合った表現者5人にも
協賛出品を依頼している。
それぞれが高野の訳詞・歌を聴いて感じた事を自分の作品表現
で出品している。
伊藤也寸志は写真で札幌の下町東屯田通りの街並みを、パリの
下町を思わす写真で。
高臣大介はガラス作品で高野の好きな歌から半月形の透明な硝子
に電灯をセットした、光と影の作品を展示。
竹本英樹は、峰が気に入った街路と人の淡く佇む写真を、また花人
村上仁美は高野圭吾の写真の前に枝とバラ・草の造形を、そして
歌人山田航は高野圭吾の訳詞と歌声から十数首の短歌を発表している。
これらの作品参加により、シャンソンとサッポロという近代しかない
風土が、高野圭吾を通してポプラやリラのように、風土に根付く日本
の、札幌のシャンソンとして志向されている気がする。
各自がそれぞれの嗜好・足元から、近代日本に入って来た文化を見詰
め、見直し、かって漢字から平仮名・カタカナを生んだように文化
の耕地作業(カルチャー)を続ける事に深い共鳴を覚える。
高野の訳詞に時として閃くように感じられる札幌の風土感にハッと
しながら、5人の作品と高野圭吾の歌声・訳詞を見ているのも、何
か幸せなサッポロを感じるのだ。

*‘訳詞家・高野圭吾の世界ー12月16日、18日、19日
 am12時ーpm7時;月曜定休日。
*村上仁美オリジナル〆飾り展ー12月21日。23日ー25日
*野上裕之彫刻展「雲間」-12月27日ー1月5日。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503


by kakiten | 2018-12-16 18:48 | Comments(0)
2018年 12月 11日

寒気濃くーみちゆき(18)

月曜休廊日。
明けて翌日、寒気の底のようだ。
水道は凍結で、ストーブを点け、溜めておいた水を沸かし
部屋を暖め、やっと水が出る。
一気に冬が来て、沖縄から来た豊平さんが薄着で平気だと
言っていたのが夢のようだ。
最近は暑さ、寒さが極端である。
プロセスというか中間というか溜めというものがない。
人間社会と自然野生の間に在った故里という中間地帯が希薄
になったのと同じように、界(さかい)という交流の磁場が
衰退化している気がする。
北極・南極も両端の間に生じる磁場が消えると、一極集中
の弊害が起きるだろう。
人間社会の色んな分野における兆候も同じ気がする。
本来多民族性を保つ国、アメリカや中国が一国中心国家主義
に偏り、難民問題を抱える欧州でも一国中心の排他的方向が
見えてきている。
地球自体が多くの多民族の人間集合体なのに、それぞれの民族
が一極集中を高めれば、もう争いしか生まれてこないのだ。
人間社会の中の一極傾向は、人間全体が自然や宇宙に対しても
畏怖や畏敬という界(さかい)の意識・磁場を擦り減らしつつ、
故里と同じように喪いつつあるのかも知れない。
そのしっぺ返しが、昨今の寒暖差の激化として、顕れている気
がする。

*訳詞家・高野圭吾の世界ー12月16(日)、18(火),19日(水)
 am12時ーpm7時;17日(月)定休日。
*村上仁美オリジナル締め飾り展ー12月22、23,24日予定
*野上裕之彫刻展「雲間にて」ー12月27日(木)ー1月5日(土)

*佐々木恒雄展ー1月15日ー22日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503



by kakiten | 2018-12-11 15:09 | Comments(0)
2018年 12月 09日

パソコン故障して―みちゆき(17)

1ヵ月近くブログも打ち込めなかった。
藤倉翼作品展、沖縄の豊平ヨシオさんの来廊と書く事が詰まっていた。
まだ新しい機種に慣れていない。
先の地震で多くのファイルがパソコン上の棚から落下し従来の機種は
損傷していたようだ。
藤倉翼展については機会を見てあらためてきっちり記したい。
街の夜景を彩った手造りのネオン管の歴史を、近代と現代の境目
として深めた見事な作品行為だったと思っている。
またその作品の一点を沖縄の美術家豊平ヨシオさんが購入予約して
くれたのも感動した。
戦後アメリカ文化を象徴するようなネオンを直接素材とした作品
だからである。
それは沖縄の深処の哀しみを青と亀裂で20年以上ひたすら表現
している美術家の心に藤倉翼の作品が届いたという感動でもある。
私などが百の藤倉翼作品論を書くよりも、この一事を持ってすべて
が顕されている気がする。
そしてこれが縁で、藤倉翼が沖縄のLED以前のネオン管を撮影する
機会を得るなら、近代から現代への藤倉翼なりの固有の境表現となる
気がする。
クライアントの有名性から、土地、土地の無名な硝子職人の手業に
着目した写真の新たな地平を拓いている仕事だからである。
沖縄の最前列にして最後尾のラディカルな現実を是非切り取り再構成
して作品化して欲しいと願う。

*シャンソン訳詞家高野圭吾の世界展ー12月16、18、19日
 am12時ー19時;17日は休廊日。
*野上裕之彫刻展ー年末・年始。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503


by kakiten | 2018-12-09 17:07 | Comments(0)