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テンポラリー通信

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2012年 01月 11日

冷え込むー睦月(5)

水道は落として帰ったが、やはり今朝は凍結。
暖房を点けしばらくしてから水が出る。
日中も零度以下の日。
空は晴れてキーンと鳴り渡りそう。
網走の漁師画家佐々木恒雄さんと電話で話す。
網走は猛吹雪で、家が埋まりそうと言う。
15日来札予定。
その時今年の展覧会日程を決断。
旭川の斎藤玄輔さんも、札幌の久野志乃さんも日程が決まらない。
今年のスタートは2月の阿部守×高臣大介展が、幕開けか。
九州福岡の鉄の造形作家阿部守さんと洞爺のガラス作家高臣大介さんの
野外展示も含めたふたり展は、2月初旬の予定だ。
白い雪の中で鉄と透明なガラスの造形が重なり合う。
野外展示場は緑の運河エルムゾーンに在る清華亭庭のエルムの巨樹の
周辺である。
テーマは「偕楽園・清華亭・鎮魂」。
かってここに湧き流れていたサクシコトニ川の源泉と、そこに広っていた
エルムの森の記憶を鎮魂するのが主題である。
雪に覆われたかっての泉池の周りに、土の記憶と水の記憶が阿部守の
鉄の造形と高臣大介のガラスによって再生される。
昨年暮吉増剛造さんと約4時間かけて歩いた緑の運河エルムゾーンの
ひとつの重要なポイントとなる場所でもある。
かってここに清らかな水が湧き、多くの鮭が遡上して来たと言う.
そこに明治天皇の休息所として清華亭が建立され、花屋敷とも呼ばれた
美しい場所だったと歴史は記す。
明治を代表する洋館時計台・豊平館はともに当初の場所から移転して、
現在地の保存されているが、この清華亭だけは当初の位置に建っていて
移動はしていない。
その為周囲の環境は大きく変わってきているが、旧偕楽園跡地・北大構内・
植物園・伊藤邸等の大きな敷地に囲まれて今もなおかっての面影を、偲ば
せる佇まいを遺しているのだ。
北大構内を流れるサクシコトニ川は、今は遠く西の藻岩山から水を供給して
きているが、本来はこの清華亭の泉池が源泉なのである。
その事を偲ばせるものは、偕楽園跡地の井頭龍神の祠があるだけとなった。
そしてこの清華亭に立つ一本のエルムの巨樹が、その事実を伝える生き証人
ともいえるのだ。
その巨樹を中心にして、土と水の再生を鎮魂する鉄とガラスの造形が展示さ
れる予定である。
見えない泉を再生し、その流れはこのテンポラリースペースの会場にまで、
稚魚となった鮭の子のように石狩の海を目指して、集結するのだ。
この場と空間が有機的に繋がる架行の行為。
それが今回の展示の目的主題である。
鉄の原点である火の記憶。ガラスの原点である火と水の記憶。
このふたつの素材の原点はともに土の中に在る。
そしてそこから、火の力によって水のように透明なガラスと強靭で柔軟な鉄
が生まれる。
阿部守さんの創る鉄は、土のように柔らかく暖かな包容力に満ちている。
高臣大介さんの創るガラスは、水のように透明で光を満たす。
このふたりの作品は、必ずやこの地の水と土の記憶を甦らせてくれる事だろう。

*阿部守×高臣大介展「偕楽園・清華亭・鎮魂」-2月初旬予定。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-01-11 14:23 | Comments(0)
2012年 01月 10日

冬の鏡ー睦月(4)

8日の日曜日は、夕方4時からフォークソングの歌い手及川恒平さん
の今年初のライブが催された。
さまざな詩人の詩を取り上げ、声に響かせる唄のひと時だった。
独特の透明な歌声が、白い空気の中に流れる。
曲目は定番ともなった糸田ともよさんの詩が多かったが、私には
後半の吉田一穂の「惜春譜」と西条八十の「蘇州夜曲」の組み合
わせが新鮮だった。
昭和の対照的な生き方のふたりの詩人の詩を、及川恒平は見事に
歌い上げていた。
昨年末の吉増剛造の詩朗読、年明けて及川恒平の歌唱。
声の渦が時代を超えジャンルを超え、極北の星のように輝いている。
冷気は高まり空気も白く凍てついているが、この場は熱く清冽な時が
流れていた。
「冬の鏡」と題されたコンサートは全16曲、語りを交えながら淡々と
進み、夕暮れの青い光が消え灯火の明るさとともに終った。
その後は定休日にもかかわらず店を開けてくれ、ライブにも来てくれた
宇田川洋さんの居酒屋に行く。

こうして今年の静かな船出が始る。
吉増さんとも今日連絡が取れ、無事作品が届いた事を聞く。
これでやっとひとつ年が終わり、年が始った気がする。
吉増さん曰く、この会場の光をテーマに11ヵ月後の次なる個展を
意識的にさらに継続的に創りあげようよ、・・と。
恐ろしや・・。
まだ死ねぬ、なあ~。

 *阿部守×高臣大介展ー次回
 *佐々木恒雄展・斎藤玄輔展(2月予定)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-01-10 12:11 | Comments(1)
2012年 01月 07日

赤・光・水ー睦月(3)

年末に治療した歯の続きで、昨日は歯医者さんへ。
しっかり1時間半治療する。
ふっと気付くと口を開けたまま、イビキをかいていた。
自分のイビキで目が覚めた。
今年最初の診療日で他に患者も居なく、じっくりと歯根の治療をする。
歯の治療中に居眠りなんて、余り聞いた事がない。
それだけ疲れていたのか、先生の腕が良い所為なのか・・。
これこそ本当の、ハイシャ復活。
そんな訳で昨日は一日休む。
すると留守中、東京・吉増さんから作品到着指定日変更要請のfaxが来ていた。
お母さまが入院中で、お見舞いに行く日という。
慌ててすぐに送り状の伝票番号を報せる。
さらに昨年末一緒に来廊した吉原洋一氏のギヤラリー撮影の写真の報告もあった。
 
 「写真」ミゴトでした。ギヤラリーの光がうつっています。

さらに緑の運河エルムゾーンの歩行の記憶が、水の声・・まだコダマをして
います、と書かれていた。
<光>と<水>が今回の個展の記憶として記録された事、とても嬉しい。
そしてもう一通。
鈴木余位さんから届いた年賀状の文面。

 (今回の)再会に。僕は、真っ赤なヴィジョンを得ました。
 今年は、アカく生きます。マッカッカ。

燃える赤と水の声、光のヴィジョン。
やはり龍だなあ、このふたり。

一日休んでその間に二匹の龍が降り立ち、舞っている気がする。
ハイシャフッカツ、呑気にイビキをかいていられない。

*及川恒平ライブ「冬の鏡」-1月8日(日)午後4時~予約2500円当日3000円

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-01-07 12:49 | Comments(0)
2012年 01月 05日

白い朝の夢ー睦月(2)

道外の発送は今日からという事で、昨日の発送は叶わなかった。
吉増剛造の銅板長尺4巻は、まだ会場の隅に在る。
発送が終るまで、なんかまだ終っていないようで落ち着かない。
つくづく人間とは意識的動物と思う。
多分地球は毎日変わらず日の出を迎え日の入りを繰り返している。
その一日だけを特別な元旦とするのは、人間の意識であるだろう。
新年という意識も人間の社会的決め事がもたらした特権的時間である。
国によっては正月は別の月である国もあるからだ。
今回の全力投球吉増剛造展を通して今の時間を考えると、私には
新年は今だ展覧会の終了時の余韻の内にある。
新しい年というより、ひとつの仕事の終わりの内にまだ時がある。
次回予定したふたりの作家の予定が叶わず、来週からの展示が未定の
事情もあるが、ある意味まだ年末のような気分である。
まあ正月は正月らしく、少し休んだ方がいいのかも知れない。

 大きな渦の様な年末の・・・8mm filmのまったく新しい仕事の気配!!
 楽しみです。

と、映像作家の石田尚志さんから年賀のメッセージがあった。
鈴木余位さん、吉増さんとの新たなコラボレーシヨンが予感される。
そうだなあ、もう今年の師走の予定が着々と進行しつつあるのだ。
これが新年というか、新しい出発の号砲なのかも知れない。
<この師走、ふたたびのおねがいをこめて・・>という吉増さんの
年頭のメッセージとともに、銅板長尺4巻の龍は空高く舞い上がって
正月を飛んだという事だろうか。
そういえば、8mm フィルムの飛び交う様子が、年末に頂いた余位さん
撮影の東京都現代美術館での石田×吉増オペラシオンの映像にあった
のを思い出す。
あのフィルムが空を飛び交う様子は、龍のようである。
ふたりは龍のように舞台で描き、舞うように行為していた。
あのフィルムが宙を舞うパフォーマンスは、石田さんの龍。
長尺の銅板は、吉増さんの龍。
石田さんの絵筆の舌先と吉増さんのハンマーの鉤爪。
口に鈴を咥えて、床を叩く。
あのふたりのパフォーマンス、あれは龍の舞だ。
そして潜在的なもう一匹の龍が、鈴木余位さんである。
この3匹が緑の運河エルムゾーンを縦横に疾走する。
それが物流の直線構造に対峙する磁場の創造である。
龍とは同時に有機的な川の龍泉でもあるのだ。

ふっと見た今年最初の夢。
それが3人による龍泉のような熱い銀色の夢であったのだ。

*及川恒平ライブ「冬の鏡」-1月8日(日)午後4時~予約2500円当日3000円

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-01-05 13:12 | Comments(0)
2012年 01月 04日

青い空と白い雪ー睦月(1)

一番最初に有山睦さんが来てくれた。
正月3日。
吉増剛造展撮影と片付けの日。
そして写真家藤倉翼さん渾身の撮影。
河田雅文さんも来て、撮影終了片付けに入る。
あっという間に銅板長尺4巻は、4本の丸い筒になる。
鱗を丸めた龍のよう。
2日間かけて展示した事を思うと、片付けはあまりにも呆気ない。
遅れてタクシーが停まり、酒井博史さんが来る。
名残りを惜しむように4人の友人が集まって、吉増剛造展は終った。
元旦に届いた吉増さんの年賀状。

  年のはじめに、旧蝋の深い、水音の御礼と、この師走、ふたたびの
  おねがいをこめて、ご挨拶申し上げます。
  ・・・・・
  テンポラリーが湧水の源(もと)となりますとしのはじめに。

旧蝋とは、難しい漢字で陰暦12月をいう。
蝋は月へんで書かれていたが、パソコンでは出てこなかった。
昨年の12月の緑の運河エルムゾーンを歩いたお礼とともに、
即もう今年末にふたたびの要請である。
規模や動員数に関わらず、作家本人がもう次なる展示への意志を
示してくれた事が何よりの成果である。
今回の個展がただ単に作品を経由した展覧会ではなく、表現者と受け手
のキックとレシーブの往還が磁場として存在した証左だからである。
そんな思いが正月3日の片付けに集まってくれた友人たちの胸にも
あったかと思うのだ。
まだ今年は始ったばかりだが、もう次なる師走の展示に賭ける思いを
伝えられて、この一年のこれからの波濤を如何に乗り切って行くか、
新たな決意を要求された新年である。

*及川恒平ライブ「冬の鏡」-1月8日(日)午後4時~予約2500円当日3000円
 
 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-01-04 13:29 | Comments(0)