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テンポラリー通信

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2008年 12月 25日

ボイラーギヤラリーの2人ーDecember voice(19)

今はないフリースペース旧プラハのボイラー室。
そこをギヤラリーにして集った人たちがいた。そのなかにふたりがいたという。
佐々木恒雄さんと平野貴弘さんの出会いである。
平野さんは、当時ヤオくんという名だったらしい。今は通称チQくんという。
なかに当時北大生の村岸宏昭さんもいた。
今は東京に住む沙知さん、雄城さんと多士済々であった。
この旧知のふたりが今、さっぽろを去るにあたって、年を跨いでふたり展を開いて
いる。この後沖縄と網走、それぞれ南と北に遠く別れるのだ。
この時さっぽろが見える。去る時に見える。
ふたりの個が踏む、踏み板のようなさっぽろがある。
その共有するもの。それが今回の主題である。
離れようとする時、見えるものがあるのだ。
そしてそこに、僕らもいる。もうさっぽろを離れた人たちもいる。死んだMもいる。
佐々木さんもチQさんも現代の木田金次郎のように、北の海に、南の島に生きる
だろう。描く事を捨てず、労働しながら生きるだろう。
再びここで会うことは二度とないかも知れないし、また会えるかも知れない。
だがこのふたり展は、もう二度とない。一期一会である。生きる事そのものなのだ
。燃える街角。スパークする斜め通り。テンポラリースペースは今、そういう時間
にある。ふたりの気持ちが燃える。ふたりのボイラーギヤラリーとなっている。
チQさんが、自らミクシイに記している。
  (ここは)爆心地になる。直視したっていい。無視したっていい。
   答えは何年後、何十年後って向こうにあるんだからな。
彼は心の昂ぶりを、爆心地と表現している。そして、その波及する心を語っている
。チQさんから遅れて来年4月網走へ発つ佐々木さんは、昨年時の個展で氾濫
した心を今、もっと距離を置いて溜めている。このふたりの対比がいい。
それがふたりの作品空間にメリハリを与えている。
旅費稼ぎに元旦も夜遅くまで働くチQさんの、僅かな休みに燃える心が会場で炸裂
するだろう。会場はふたりのライブドローイングで寒気を溶かすに違いないのだ。
熱い踏み切り板さっぽろ。年末年始は燃える日々となる。

*佐々木恒雄×チQふたり展「ランド!ホップする時」
 12月23日(火)-1月18日(日)am11時ーpm7時
 正月1、2日休廊・月曜定休
*及川恒平ソロコンサート「冬の鏡」-1月12日(月)午後3時~
 入場料3000円予約2500円:定休日開催。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2008-12-25 12:39 | Comments(0)


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