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テンポラリー通信

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2008年 12月 18日

エレガントピープルな夜ーDecember voice(13)

熊谷直樹さんの誘いで、ジャズライブに行く。
アルトサックスの仲西浩之さんを中心に4人編成のエレガントピープルというグル
ープで、以前のテンポラリーでは月1回演奏をしていことがある。
このグループにギターヴォーカルの古館賢治さんが初めて加わり今夜演奏する
というのだ。地下鉄大通りで待ち合わせ、須貝ビル4階の会場に向かう。
着くともう会場は満員。古館さんとも久し振りに会う。彼とピアノの有本紀さんは
前のスペースの閉店時にラストコンサートをしてくれたのだ。
熊谷さんが川の地図をデザインしたテンポラリースペースのTシャッを取り出し、
仲西さんに渡した。このTシャッは熊谷さんのテンポラリースペースへの思い入
れから最近制作したものだ。さっぽろの旧河川が地図となり、そこにテンポラリー
とnakamoriのロゴが入っている。これを着て何処へ行っても頑張れ、という彼
の友情の産物である。
エレガントピープルの演奏が始まり、変わらぬ仲西浩之さんの熱いサックスが
響いた。ふっと見るともうすでに仲西さんはそのTシャッを着ているのだ。
古館さんの出番になり、彼もまたそのTシャッを着ておもむろにそのTシャッの由
来を説明しだした。そして、その場所で知り合った熊谷さん、私、そこで生まれた
曲と話を続ける。喪われた場の記憶がここで甦っている。その後、仲西さんも熱く
中森花器店・テンポラリーについて語りだし、ロゴ入りのTシャッとともに、この場
はもういつのまにかタイムスリップして、ナカモリカキテンであるかのようだった。
決して私は音楽を主体に前のスペースを作ったわけではない。
しかしあの場が保った何かの力は、失われた場であるにも関らず、こうして心に
連なって続いている。それは、場(ランド)の保水力とでもいうものを実感した時で
もあった。近くにいた聴衆の何人かが、ああ、あの場所ねと、囁きあっていた。
まさかこういう展開になるとは思わず、ひとしきり照れる自分がいた。
演奏は白熱し、古館さんと仲西さんたちの初コラボの硬さはなく、物凄いノリに
アンコールの拍手と声が鳴り渡った。
熱いエール、インスパイヤーされる勇気のようなものを頂いて、深夜帰路に着く。
季節を感じさせない暖かな濡れた路面が、この日の心模様の汗と涙のようにあ
った。

*斎藤紗貴子写真展「キャノンはない。携帯がある。」ー12月21日(日)まで。
 am11時ーpm7時
*佐々木恒雄×チQふたり展「ランド!ホップする時」-12月23日(火)-1月
 18日(日):正月1、2日は休廊
*及川恒平コンサート「冬の鏡」-1月12日(月)午後3時~入場料3000円
 予約2500円:月曜定休日にします。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2008-12-18 13:20 | Comments(0)


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