中嶋・國枝展最終日。湿った雪降る。
<個>と<私>の位相について、若干の考察を書き連ねてきた。
私たちそれぞれに、掛け替えのない<個>の現在があること。
今回のふたり展が、ただ<私>的なふたりのお披露目に終らず、
人と人との間の先端(エッジ)としての時間。
その間(あいだ)・境(さかい)に触れて、ある本質的なゾーンを表現し、
立ち上げようとしていたのを、感じていた。
表現の根底には、いつも私的な契機がある。
その私的な契機を、如何に個の契機として公(おおやけ)にし得るか。
そこには生きるという、個々の人生が凛として在る筈なのだ。
生の先端で、エッジとして触れる新鮮な他者・外部世界との回路。
そのことを、思うのだ。
その回路に開かれる耕作地。ランド(場・国)としてのさっぽろ・いしかり。
湿った雪が濃くなり、視界が白に遮られてくる。
November steps、11月の階梯。
雪がクリストする、白い梱包の季節がやって来る。
December Voice、12月どんな声が響くだろうか。
*ALGILLN’NE展「モーラ」-11月30日(日)午後7時まで。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503