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テンポラリー通信

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2008年 11月 04日

自(国)と他(国)-November steps(3)

初雪降る。
朝窓のカーテンを開けると、白い線が細く斜めに走っていた。
季節は確実に気温を一桁にして、白い寒気を目に見えるものにしていた。
街では芸術の秋を標榜するアートイヴェントが花盛りだが、
この地は、もうmataーpa(冬の年)に入っている。
他(国)を受け売りする自(国)のない植民地根性は、今も健在である。
札幌のTV塔と東京タワーの設計者は同じと聞いた。
そういえば最近のライトアップも似てきた。
札幌にTV塔が建ってから、この街は東京色をさらに加速化してきた。
自然が環境に濃かった時代は、まだ街が正統な近代 のようにあったと思う。
エルム(春楡)の都、アカシヤの並木、札幌軟石の建物、煉瓦造りの百貨店、
瀟洒な個人の洋館等が散在していた。
北原白秋の「この道」に唄われ、黒澤明の「白痴」に撮られた札幌には、言葉に
も映像にもそのさっぽろが明白である。
他(国)の都をもともと模して造られた植民地都市札幌は、当初西の都京都、東
の都東京を真似た事はすでに既成の事実ではある。この碁盤の目状の都市に、
西の都を真似て「何とか通り」と名づけ、次に東の都を真似て銀座4丁目的に「条
丁目」を名づけてきたのだ。
この街の自(国)とは、ひとえに厳しい自然(寒気・植生等)のみが自(国)を有して
いた。その自然環境が、近代化に独特の美しさを与えていたと思う。
それすら今喪失して、この街はどこにでもある駅前風景の書き割りのような街景
になった。文化が弱いのだ。美しい洋館ひとつすら、その風景として守れないの
だ。時計台がある、小熊邸があると反論する人もいるかもしれない。だが、一点だ
けを象徴的に保守する事は文化ではない。
ゾーンとして文化はある。文化には裾野が必要だ。
TV塔の直線的な高さが象徴的である。山との違いを思うがいい。
直線的な山頂を考えるがいい。裾野、中腹の喪失した山頂が美しい筈がない。
山中に見る送電塔の不気味さを思うといい。

雪が降り、さっぽろ・イシカリに冬が来る。この当たり前の寒気こそが信ずるに足
るものである。そこから自(国)を拠点にして今を生きずして何が生まれるのか。
そう思う。

*M企画「logs/rriver/city」-11月4日(火)-16日(日)
 am11時ーpm7時(月曜定休・休廊):札幌在住河田雅文企画展示

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2008-11-04 11:36 | Comments(0)


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