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テンポラリー通信

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2008年 10月 16日

帰路に寄るーOctober run(3)

昨夜、神戸大丸での展示を終えた洞爺gla_glaの高臣大介さんが帰路寄る。
今年彼は福岡で、阿部守さんと2人展をしている。
今回ふたりは行き違いで会えなかったが、次回阿部守展は冬の予定で、高臣
さんのガラスの窯を借りて鉄の制作を考えているという。
その事を高臣さんにも伝えた。
同じように土からの素材で、火を通し柔らかに形を作っていく。固まったものは透
明なガラスと鉄とは違うのだが、高温度の火を通して成型されていく過程は共通
する。そのプロセスからふたりが共同作業で作品を創っていけば、面白い事に
なるような気がするのだ。技術的には色々難しい面もあるのだろうが、そうしたい
と発想した時にもう何かがスタートしていると思う。
神戸の百貨店での販売に少し疲れ気味の高臣さんだったが、この話には興味を
そそられたようだった。
缶ビールとつまみを途中のスーパーで買ってきた彼は、久し振りのテンポラリー
で寛いでいた。来年早々の個展の日程を打ち合わせ、ここでの冬3度目の気持ち
を語った。過去2回は花の佐藤花光さんとのジョイントだったが、来年は佐藤さん
の花個展も控えているので、純粋に自分だけの作品で構成したいと言う。
そうね、今ひとつの転機にあるように思うので、そうしたら良いと応えた。
ここの一昨年の5月オープン展は、百個近い吊りガラスが天井からぶら下ってい
た。透明な彼のガラスのみで構成されていたのだ。
公私ともに多忙なこの1年を経て、もう一度自分自身に立ち還る時なのかも知れ
ない。
Sくんの網走にも行こうと持ちかけた。流氷とgla_gla。販売で本州もいいけれど
もっと北のテーマを深めようと話す。自分の仕事に絞り込んだ作家活動を充実さ
せる時でもあるからだ。透明な炎のような彼の作品は、様々な色彩をもつ。
透明であるが故でもある。音と映像がいいなと思う。お花自体は合いすぎて色彩
が過剰になるところがある。単色の蔦が凄く新鮮な場合があるのがそのいい例だ
。直線は少なく、宙吹きガラス特有の柔軟な曲線が力強いからだ。
留めつつ、通過する光のインスタレーシヨンが、彼のガラスの特色である。
常に通過して滞留しない水の流れ、光の流れを喪ってはいけないのだ。
その創り手である高臣大介さんもまた、そのような生き方を保つべきである。
販売に疲れた彼の心にそうした創造の原点が、燃え上がってきたかに思えた帰路
の時間だった。
テンポラリーを出て、帰りの準備の間外から阿部守展の会場を見ていた大介さん
が、うん決まってる、この距離だなあと呟く。外の暗闇から見ると、会場全体が鉄
の作品を浮き上がらせ、光の中に在った。ガラスの外扉を通して構図が決まって
いるのだ。それが一枚のガラスの皮膜を通して在った事に、彼は気付いていただ
ろうか。
溜めつつ透すもの、それがガラスの美である事に・・。
October runー風澄むガラスの夜。

*阿部守展「場に立つ」-10月19日(日)まで。am11時ーpm7時
*中岡りえ展「DNA Diary 1902-2008」-10月23日(木)-29日(水)
*M企画展「log/River/City」-11月4日(火)-16日(日):河田雅文企画
*アルジルンネ「モーラ」展ー11月18日(火)-30日(日):中嶋幸治・國枝絵美

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2008-10-16 12:45 | Comments(0)


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