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テンポラリー通信

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2008年 09月 27日

お通夜の言葉ー夏の末(sak-kes)(31)

故村岸令子さんのお通夜に行く。
札幌北口斎場2階。2年前の宏昭さんと同じ会場。
少し遅れて着く。もう人がいっぱいだった。入口からあふれて、外にパイプ椅子が
出されていた。亡くなられて一日しかたっていないのに、多くの参列者がいた。

お母さん、白樺を抱きしめるように水音、風の音、森に触れ、人に触れた2年間で
したね。知らない宏昭をたくさん知る事が出来てと、幸せそうに語っていた笑顔が
浮かびます。
同じように私たちも宏昭さんを知る事を共有した2年間でした。
深く閉じつつ、深く開いた時間でした。
8月31日カフエエスキスで、出版社のかりん舎の坪井圭子さん、高橋淑子さんに
お会いして間もなく入院し、再発した癌の病で25日早朝死去。
本の事も、宏昭さんの3回忌も済ませ、心の整理はきっともう済ませていらしたの
だろうと思います。
「木は水を運んでいる」で宏昭さんが、倒木の白樺の幹を吊りその白樺を抱いて、
水の音に耳を澄ましたように、あなたは倒れた宏昭さんを心に抱いて、その心の
幹に生きてきた宏昭さんの時間に耳を澄ましていたのですね。
関係した我々もまた、その回路を共有したのです。
昨年8月の大規模な追悼展の行事まで、色々な事がありました。
ただ言える事は宏昭さんが何をしたかではなく、何をしようとしたかに限りなく近づ
けて、我々の今の問題として提起しようとした事です。
その精神はやがて出版される作品集にも貫かれていくと思います。
おふたりが抱き締め深く閉じつつ、深く開いた倒れたものの存在は、今も我々の現
在と深く関わっています。

清浄院釋令知 享年55歳

        合掌

祭壇に手を合わせながら、そんな言葉が浮かんでいた。

*新明史子展ー28日(日)まで。最終日午後6時。
*梅田マサノリ展「Scenery of cell-細胞の風景」-10月1日(水)-7日(木)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2008-09-27 13:10 | Comments(0)


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