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テンポラリー通信

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2008年 09月 02日

森万喜子展終るー夏の末(sak-kes)(9)

休廊日の昨日、朝早く目が覚める。画廊に何故か出よう、と思っていた。
ただ昼過ぎ歯医者さんの予約があって出ても中途半端になる。治療終ってから
と思い、午前中家に居た。奥歯の根の治療で思ったより時間がかり、4時近くに
ギヤラリーに到着。留守録が2件入っていて、どちらも大野慶人さんからだった。
午前10時過ぎと、11時半くらいのもので、帰る前時間があるので電話したという
。朝の感覚は虫の知らせというものだ。会えず残念である。
郡司正勝先生が亡くなられた初七日に、一緒に宮の森の郡司宅を訪ねた時以来
会っていないのだ。これで、8月の終り、3人の優れた友人とすれ違いとなる。
及川恒平さんライブ、吉増剛造さんラストトーク、大野慶人さんの舞踏。
それぞれが、ここまでの積み重ねた時間の結晶があって、8月末札幌に集中した
のだ。rhapsody in augustである。
森万喜子さんの最終日、Nくん、Eさん、ちQさん、Sくんが来て搬出を手伝ってく
れる。なにも決めた訳ではない。最後にもう一度見たくて自然に集ったのだ。
帯広から10月個展予定の梅田正則さん、人形作家の伽井丹彌さんも来て旧交
を暖めた。前夜の吉増剛造最終トークと映像は刺激的だったと言う。この後大野
慶人さんの出る舞踏に行くと言った。
今朝小樽の消印で、吉増さんから葉書が届く。

   おいでとおもって、会場で呼びかけたりしていました・・・。次の日、・・石狩へ
   走りました、・・・ハチマンの側にはまだ廃バスや原景も残っていて・・・しかし
   なんと、「山本旅館」が草に揺れる更地になっていて、しばらく考え込んでしま
   って佇んで、・・・マラソンで戻レナクツテ小樽に一泊。・・・

独特の文字が横に、さらなる言葉を連ねて並んでいる。この文章のトーンにふっと
思い当たるものがあった。’89年の界川游行の後、帰りのフエリーの甲板から頂
いた葉書である。あの時も同じ調子だった。戸谷成雄さんの彫刻展示と吉増さん
の詩の朗唱の会場が重なり、美術の戸谷フアンと文学の吉増フアンが小競り合い
を起こし、本来の主題界川をそっちのけにして、吉増剛造の詩の朗読が二分され
た後、帰りの船からの葉書だった。その葉書の心に応えることが、私の吉増剛造
への本格的なアプローチの始まりだった。
今回3人の晴れの舞台とも言うべき場に最後出席できなかったが、私は私の現場
において少しも後悔はない。
同じく8月30日、封印した舞踏を解いた藤田純子さんと沙知さんの歌のライブが
東京であった。ふたりの故村岸宏昭さんへの想いが生んだ公演である。その便り
がビンビン届いてくる。応えである。その場にはいなくとも、何かが存在する。その
事実を今、心で感じている。

*gla_galのfresh answer展ー9月2日(火)-7日(日)
*新明史子展ー9月16日(火)-28日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2008-09-02 12:23 | Comments(0)


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