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テンポラリー通信

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2008年 08月 24日

外に触れるー夏の末(sak-kes)(2)

Iさんの紹介で、界川の見えるところにある一軒家を見に行った。2階建ての民家
である。祖母の法事で東京から一泊で札幌にきているIさんが、合間を見て案内
してくれた。ちょっとひとりで住むのには、寂しい山奥である。
帰りに、近いので下澤敏也展をしている門馬ギヤラリーに寄る。
沢の傍の木立ちの中に立っている作品が、良かった。門馬邸入口に置かれた門
のような作品もいい。今回、下澤さんは、外に作品を置くことで、従来の室内空間
に篭もっていた何かが開放されたかに思える。土に還る逞しさを、陶芸のオブジェ
作品が獲得しだしたと思う。タイトルは、風化から森へだったと思うが、この森とは
外へとも読み取れるのだ。風化という従来のテーマは、内向きの凝視の視線だが、
今回に展示には、外へと開かれる視軸がある。門馬邸の場を生かす事で、一回り
作品が大きくなったと思えるのだ。
本人はニコニコと他のお客さんとの会話に忙しく、話はできなかったが、ギヤラリ
ーオーナーの大井恵子さんが、代わりに接待してくれた。そして、故人の門馬よ
宇子さんの遺作で自分が一番好きな”らっきょ”という作品があると言う。
え!らっきょ?それ知らないよと答えると、奥から大事そうに細長い箱に入った
作品を見せてくれた。透明なアクリルのboxの中に、20個ほどの薬莢が固定され
ている。沖縄を旅行した際収集したものという。
これ、らっきょでなく、やっきょう(薬莢)でしょうと笑い話になった。
素材を主に見れば、いわゆるジャンクアートに属するが、このきりっとした構成の
凝縮力は、素晴らしい。韓国の美術家が、一目見て凍りつき、感動したと言う。
それだけの力ある作品である。
門馬さんのある種素材を使って凝縮した時の作品は、他の作品もそうだが、作家
の力量が発揮されている。この作家の力は、凝縮力にあると思える。
この薬莢を素材にした作品もそうだが、まだ未見の作品が埋もれている。
鯉江良二といい、韓国の美術家といい、道外の生前本人を知らない優れた作家が
、今作品を通して感動を語っているのを聞くと、本当の意味で作家門馬よ宇子は、
今だ紹介されていないという事になる。これは貧しい札幌の現実ではないか。
先日夜、咽ぶような電話をくれた沖縄の豊平ヨシオさんにも、この薬莢の作品は見
てもらいたいなあと思っていたのだ。
作品もまたもっと外に出て、触れてもらわなければならない。

*森万喜子展ー8月22日(金)-31日(日)am11時ーpm7時(月曜定休・休廊)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2008-08-24 14:12 | Comments(0)


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