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テンポラリー通信

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2008年 08月 03日

久野志乃展最終日ー夏の年(sak-pa)(55)

曇天。久野志乃展最終日。
先月22日より始まって、その第一週目に4点の作品が、会場で制作された。
水の波濤のような飛沫の中に、船のような、瞳のような形象が顕われ、少女が
立っている。<立つ>・・それは、始まりである。終わりが、始まりである事を、
作者はこの場所で、最初の一週間に形象し得たのである。群像のような人たち
は消え、たった一人で船の舳先に立つ少女がいる。まるで、水の中のジャンヌ
ダルクのようだ。溢れる水の炎、その波濤のなかにすくっと立つている。
もう、そこには火災のような花の暖色はない。少女の立ち姿も違うのだ。傾きか
けた船の船首に負けずに立つ姿に、作家の今回の個展で獲得した意志が、滲
んでいるかに思える。最後に描かれた縦長の作品は、肌色の背景に水色が炎
のように立ち昇り、その内部に少女が同じような立ち姿で立っている。彼女を取
巻く色彩の変化は、より内面化した作者の位置そのものでもあるのだろうか。
外界と内界の境を見詰め、存した2元論の構図が消えつつある。内側から何かが
<立つ>行為へと、収斂しつつあると思える。見る(他者)ー見せる(作品)という
展覧会の2元論的構造が、作家自身が見る→という矢印のままアクテイブな場
として作品に向かっていった結果、その固定した場の関係性は打破されたのだ。
そうした2週間だったと思う。Exhbition(展覧会)という<Ex>そのまま、<前
へ>と出た幸せな個展とい得るのかも知れない。
あと一日の、今日の時間にまた、きっと何かが起こるだろう。
個展の終わりに、・・である。そう予感する朝だ。

*久野志乃展「物語の終わりに、」-8月3日(日)午後7時まで。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2008-08-03 11:20 | Comments(0)


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