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テンポラリー通信

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2008年 07月 08日

触れる彫刻ー夏の年(sak-pa)(31)

坪井圭子さんの12日夕の朗読、星野道夫「森へ」と決まる。たくさんの不思議と
いう児童向けのシリーズの本のひとつと言う。
細井さんが、浦河に置いてあった作品を3点あらたに今朝運んで来る。
またひとつ、空間が豊饒になった気がする。
朗読会の時には床にゴロゴロ置いて、自由に触ってもらいたいと言う。
人と人とのあいだ、そこに彫刻が在る。その関係性が細井さんの理想である。

 <・・・魂の対話に寄り添い、秘められた入り口をそっと開くことができる>

触れる存在としての彫刻。触れることで何かが開く。
光も触れる、風も触れる、匂いも触れる、手も触れる、そして眼が触れる。
touch with eye、 smell with hands、taste with nose・・。
五感のすべての基底には、触れるがある。五感を部分だけの隘路から解放する
こと。部分の増幅から、全身の感覚に、身体にもう一度還元すること。その時触
れる行為が、様々な感覚を呼び覚ます。眼が味わい、手が舌にもなる。
人が人らしく一になる。一は一個の×存在となって、外在する他と感覚を通して
触れ得る新鮮なタッチとなる。境が活き活きと接する存在となるからだ。
境が活き活きとする、その身体回路装置のように彫刻がある。
眼だけに固定された作品。そういう教えを乞うように設定された空間を、彼は拒否
しているかに思える。パブリックという言葉の本来の回路を、作品は純粋に有して
いるものである。それが、芸術の本質にはある。
巷間でいうパブリックアートとは、似て非なるものである。公共事業(パブリックワ
ーク)の一環のアートではないのだ。
会期中の作品を通した人と人の出会いが、その本来の公共を証明する事だろう。

初日の今日、下で盛んに語る声がする。時に村岸君という言葉が聞えた。
降りて行くと、その人から声がかかった。村岸宏昭さんの北大の先生だと言う。
千葉恵先生だった。細井さんの作品が、村岸さんの個展を思い出させると言う。
そうか、「木は水を運んでいる」ー「水が風景をつくる」。
木の幹に耳をあて、川の水音に耳を澄ます。耳に触れる彫刻。
手に触れる水紋の彫刻、・・・この偶然を想った。
千葉先生は盛んに作品の木の肌に触れながら、語るのだ。
村岸くんに見せたかった、彼がいたら、どんな演奏をしただろうか。
ふっと気付き、遺作「銭函から星置へ」を流す。
細井さんが眼を円くする。千葉先生が言う。”これがまた遭うねえ!”
そういえば、一昨年の正に今の時期7月が、村岸宏昭最後の個展の時だったの
だ。何故初対面の千葉先生が、今日此処に来ているのか。
そうか、村岸が来ている!
そう思った。原稿催促だなあこりゃあ。遺作集を出版するかりん舎の坪井さんと細
井さんの出会いといい、、不思議である。
細井さんが言った。”ギヤラリーっていいですねえ!”
村岸くん、ありがとう!

*細井護展「水が風景をつくる」-13日(日)まで。am11時ーpm7時
 :坪井圭子朗読「森へー星野道夫」-7月12日(土)午後7時~入場無料
*酒井博史てん刻ライブー7月20日(日)am11時ーpm7時
*久野志乃展ー7月22日(火)-8月3日(日)
*アキタヒデキ展「点と点と展」-8月9日(土)-17日(日)
*森万喜子展ー8月19日(日)-31日(日)
*gla_gal展ー9月2日(火)-7日(日)
*新明史子展ー9月16日(火)-21日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503 

  

by kakiten | 2008-07-08 12:07 | Comments(2)
Commented by 細井護 at 2008-07-10 09:56 x
先を歩く人。
自分の弱さに正面から向かい、苦悩する。
そのことを隠さない。
その中から本当に真実と確信できたことを、
情熱的に、静かに伝えてくれる。
この人が細い道をあるいてきたように、
私も恐れずに、とぼとぼと歩くことができるだろうか。
広い道を大手を振って歩いてきてしまった人には示すことので
きない、勇気や情熱のありかを示してくれる。
そんなきっかけをくれる先を歩く人がいる。
千葉先生はそのひとり。
詩を朗読してくれることになった坪井さん。
もうひとり短い詩を読んでくれる平島さん。
見失いそうな小さな印象を一緒に探ってくれる中森さん。
先を歩く人人人。

暴力が土足で上がりこんできたら細い道を歩く勇気なんて
簡単に吹き飛びそう・・・。
不安を隠せない私、まだまだです。
Commented by kakiten at 2008-07-10 12:05
細井護さん>知恵熱出たのでしょうか?<暴力が土足で上がりこむ
>恐れは、日常ですが、作品の創った空間はもうそんなものを
充分にバリアしていますよ。その作品は、あなたが作ったものです
。紛れもなくね・・。不安と勇気は同義語の裏表です。今日も元気に
楽しく作品を介していい時間を持ちましょうね。


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