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テンポラリー通信

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2006年 02月 19日

しゅつたつは告げられてある(14)

美術家の小林重予さんよりメール来ている。インドネシアから帰り元気そう。
インドネシア在住のメラジャスルマさんから伝言。<メラメラ燃えるメラの命・・>
という彼女個展の時の私のダジャレがとても気に入って忘れないというような
内容だった。オランダ人の良い作家で重予さんの紹介で数年前個展をした。
今あちこちで活躍、何かが彼女のなかで動きつつあると重予さんの報告だ。
同じオランダのモニカも良い作家だった。エミリーとモニカがふたり来て、アーテ
ストレジデンスでさっぽろに滞在帰る前々日だったが、滝を見たいというので、
2年前の今頃円山川の奥、不動の滝を雪を漕いで案内したことがあった。
最初はビビッテいたが、雪の中に入れば陽気なものだった。後日ハガキが
来て忘れられないさっぽろだった、もう一度必ず来ると書いてあった。4ヶ月
近くさっぽろにいて最後に近く一番さっぽろを感じたなんてどんなレジデンス
をしていたのだろうと思う。
仮事務所の家の熊谷透さんと飲む。洞爺の大介さんのところで朝した気功の
自然な動きに感心した話から、いま私が歩いているさっぽろの大きな地盤地質
図を見せる。すると彼はその地図の上に座り、あちこちを指差し始めた。こんな
ふうに地図を見たことがなかったという。ああ気功をやっているなあと瞬間思った。
大地のいわば人体血管図のようなものがこの地質図だから。作られた市街地の
下に広がる見えない川、扇状地、自然堤防等が現実を透視するように色分けされ
印刷されている。彼はその上に座り札幌を身体のように感じてくれた。気功もまた
身体の気を自然に回復させ、流れをつくる術だからこの地図にすっと入っていった
のだろうと思う。<熊谷さん、毎週一回気功の講習私が新しい場所見つけたらそこ
で開きましょう>といったらほんとに喜んでいた。私が<その入口>と呼ぶ場所は
気功の解放の仕方とある意味同じ性質のものである。水曜か木曜だろうなあ。
大介さんのところで初めて経験した<風の舟>熊谷透さんの気功は一枚の地図
によってテリトリーこそ違えその志はある共通性を持つていたのだ。彼は彼の仕方
で表現していく。見えない川筋に沿って気功の巡業をするのもいいな。大地と空気
がそっと回復し開いていく、身体とともに。風景が結晶し入り口を開く場所で人も
体も一緒に解き放つのだ。テンポラリースペースがもうひとつ豊かになるなあ。

by kakiten | 2006-02-19 17:18 | Comments(0)


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