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テンポラリー通信

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2008年 06月 30日

再び函ということー夏の年(sak-pa)(24)

さっぽろ・イシカリという函が欲しいと思った。北海道立文学館の吉増剛造展であ
る。吉増さんという大河を総括的に見るには、近年稀なる個展ではある。
ここまで資料的にも、現在の活動も、一気に見る機会はそうないだろう。
まして、さっぽろにおいては勿論の事である。
しかし、だからこそさっぽろ・イシカリの函が欲しい。そう思う。
名作「石狩シーツ」は、石狩・望来に約4ヵ月滞在して創られた長編詩である。
その展示が函になってあってもいいと思う。
どんな大きな川にも、澱みのような函の場所がある。ただ一直線に流れている訳
ではない。イシカリーユウバリと深さを保った吉増さんの淵がある。
そこを、道立文学館は自主的に目玉にすべきなのだ。そこが他の場所と違うここ
で展示する自主性なのだ。会場には「石狩シーツ」の朗読CDが、常に流れてい
た。「石狩シーツ」の資料は、並列的にしか展示されていない。もっとくっきりと表
わすべきだ。生原稿を購入するとかそういう問題ではない。展示としてきちっと現
場性をもつべきなのだ。四国でも沖縄でも奄美でも東京でもパリでもない独自性
を、展示の過程に保つ事が大事である。総括的な業績は業績として、地方のここ
でしかできなかった関わりを、大河の函として、節を見せるべきである。
全体に優れて若々しく、ダイナミックな展覧会であるゆえに一層、メリハリとして
そう思う。その函のなかみは大半テンポラリーにあるのだが、残念である。
3月大野一雄さんの石狩来札公演とともに、その資料は展示したのだが、一民間
の小さなギヤラリ-なぞには、ハナも引っ掛けないのか、見てもらえる事はなかっ
たから、私の吉増剛造展はすでに終了している。今回の大規模な展覧会に便乗す
る気も毛頭ない。ただ、今度の展覧会を見て、残念に思うのは、さっぽろ・イシカリ
で吉増剛造展をする意義を、自らの場に立脚して、固有性は固有性として堂々と
こういうものがあると他との差異を打ち出して当然と思うのだ。ただただ、全国区の
展示を誇示した所で、場の固有性が薄弱では<道立>の名が虚しいだけだ。
館長の神谷さんも開会式の挨拶で語っていたが、もしノミネートされているような
ノーベル賞でも受賞したら、もうこの展覧会なぞ問題にならない位大規模な展覧
会が東京で開催されるだろう、そういう規模の大小や名誉の問題ではなく、ここで
此処でしか出来なかった展示の質を提示すべきだと考えるのだ。
札幌・石狩・夕張その他あっての北海道立でしょう?そういう展示コンセプトが必
要でしょう?枝のない大河などないのだ。枝川の泉を見ずして、大河に眼を奪わ
れるな。そう思う。

*細井護展「水が風景をつくる」-7月8日(火)-13日(日)
*酒井博史てん刻ライブー7月20日(日)am11時ーpm7時
*久野志乃展ー7月22日(火)-8月3日(日)
*及川恒平ソロライブ「resongs vol7」-8月5日(火)午後6時半~
 入場料3000円・予約2500円
*アキタヒデキ展「点と点と展」-8月7日(木)-17日(日)
*森万喜子展ー8月19日(火)-31日(日)
*gla_gla展(予定)ー9月2日(火)ー14日(日)
*新明史子展ー9月16日(火)-21日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2008-06-30 17:24 | Comments(0)


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