岡本太郎美術館搬出の為帰国中の谷口顕一郎さんことケンちゃんが来る。彼に
デザインを依頼している札幌のお菓子メーカーSの専務と社長も一緒に来た。
そこへ美術家の河田雅文さん、アイヌ文化研究家で登山家の中川潤さんも来る。
ドイツへの土産に印鑑を注文したケンちゃんが、酒井博史さんも呼んでいたので
各自の話が飛び交う。恋人のあやさんも遅れて来て、展示中の大野・吉増展をじ
っくりと見ていた。石狩河口公演のヴィデオも見たいと言うのでモニターで再生す
る。明日川崎の岡本太郎美術館搬出で札幌を発つので、ケンちゃんたちは札幌
の実家へ今夜は早めに帰るという。ゆっくりとふたりと話出来なかったが、ハンブ
ルグのMさんからの資料と依頼を受け取った。ケンちゃんとあやさんは11月には
入籍という事で両家の打ち合わせもあったようで慌しい滞在だった。Mさんのギヤ
ラリーの独立、ケンちゃんたちの結婚と新たな出発の前にして何か時間が泡立っ
ていた。そこへ、音楽著作権協会から今日の及川さんのコンサートについての問
い合わせがある。本人が本人の歌を歌うのだから、著作権云々は当人に聞いて欲
しい。本来の音楽とは別次元の監視・密偵の目を感じる。
夜、自転車を快調に飛ばし帰る。自転車もまた車である。友人の木に挨拶はなし。
道が違うのだ。帰宅後Mさんからの資料に目を通す。大阪生れの大崎のぶゆきと
いう作家が「皮膚呼吸」というテーマで作品を創っている。<境・界の再生>という
主題にずばり近いものがある。彼の人体を象ったインスタレーシヨンをもう少し発展
させて提案したいと思う。