人気ブログランキング | 話題のタグを見る

テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2007年 12月 09日

恩師からの便りー視線と拠点(5)

先日わざわざ長万部より病気見舞いに来て頂いた西高時代の恩師薩川益明先
生からお便りを頂いた。病院に行く積りがもう退院していた事を途中で知りギヤラ
リーまでご足労頂いたのだが早く着いて閉じた入り口でしばし待たせてしまった
のである。以下文面からの引用です。-「お隣の岩澤テーラーの奥さんが戸惑っ
ている私に<いつも今ごろには自転車で現われるようですよ>と親切に教えて下
さった。その数分後に、ご本人が出現したという運び。元気な姿を目にしてホッと
一息つきました。万事につけてよろしからぬ世情です。・・・カラダを鍛え、タマシイ
を据え直して低俗卑劣を見下ろす視座を確保するほかあるまい。・・中森さんは
体調を保持すべく私は加齢を飼い馴らすべく。ともども力を尽くそうではありませ
んか。その上でもう一仕事成し遂げられれば言うことなし。」-詩人でありアイヌ
語地名の研究家でもある恩師の力強い文面に励まされた事は言うまでもない。
札幌の中島公園近くにお生まれになった薩川先生は私の西高時代の化学の先生
でその理知的な風貌と理科系の繊細な詩行は当時の悶々たる一高校生には硬質
で一目置かれる存在だったのである。その後反戦運動の余波で長万部に転勤を
余儀なくされ今日に至るまで札幌を離れたままであるが4,5年前に一緒に札幌探
訪の歩きを重ねる機会があり1年近くともに歩き廻ったのだ。先生の体験としてあ
る札幌と私の発掘してきた札幌の交互の発見の旅は新鮮で楽しいものとなった。
この頃から師弟の枠を超え同じ札幌人としての深い友情のようなものを共有してき
たと潜越だが感じていた。美術家の小川智彦さんとのコラボレーシヨンで詩と美術
の展覧会を前のテンポラリースペースで開いたのもこの頃である。先生の同世代
の方々が近年亡くなられる事の多い昨今であるが世代を超えて同じ志(こころざし)
を保つ同時代の観点を共有するように接する事ができるのは大きな幸せと思う。小
川さんやケンちゃんにしても30代そこそこの世代であるがこの親子祖父程の年齢
差は時に無いに等しくなる。そのようにして再び師に会える自分が嬉しい。先生も
同じと思う。ーその上でもう一仕事成し遂げられれば言うことなし-。燃えてくるな
あ、この一言。

*福井優子キャンドル展「Cold Fire」-12月11日(火)-23日(日)月曜休廊
 am11時ーpm7時:音楽と灯りのコラボレーシヨン・11日午後7時~あらひろこ
 カンテレライブ入場料1500円・16日午後3時半~佐藤歌織ピアノ・オカリナライ
 ブ入場料1000円・23日午後7時~酒井博史ギター・唄ライブ入場料1000円
*木村環×藤谷康晴展「乱」-12月25日(火)-30日(日):25日ー29日木村
 環作品展・公開制作:30日午後5時~藤谷康晴ライブドローイング・木村環の作
 品に直接藤谷康晴がドローイングするライブです。
*森万喜子展ー1月9日(水)-20日(日)
*高臣大介冬のガラス展ー1月22日(火)-2月3日(日)
*小林由佳写真展「人」ー2月5日(火)-17日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2007-12-09 12:58 | Comments(0)


<< 冬の陽射しー視線と拠点(6)      形(かたち)と容(かたち)-視... >>