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テンポラリー通信

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2007年 11月 18日

谷口顕一郎展最終日前夜ー冬の輪舞曲(20)

昨夜の酒井博史ライブは前回に鮭の事を書いた事もありこの詞の言葉と彼の声
が心に沁みた。最後に唄った中島みゆきの「ファイト」がそれである。原曲はもっ
と軽やかで最後の”ファ~イト”という詞の響きが中島みゆきの場合はチアガー
ルの掛け声のようである。しかし酒井さんの唄はもっと言葉の意味を重く深く発し
ていて聞いていて目頭が熱くなった。<暗い水の流れに打たれながら魚たちが
のぼっていく 光っているのは傷ついてはがれかけた鱗が揺れるから・・ファイト!
冷たい水の中をふるえながらのぼってゆけ ファイト!闘う君の唄を 闘わない
奴等が笑うだろう ファイト!冷たい水の中を ふるえながらのぼってゆけ>こう
して歌詞を文字で写しながら声の保つ響きを思った。目で文字を追いかけている
だけでは昨夜の感動は伝わらないのだ。声の保つ響きと旋律、音を通して聞い
た言葉は違うのである。そして歌い手によっても違うのである。詞の言葉の意味
の深さが歌い手によって変ってくるのである。ー闘う君の唄を 闘わない奴等が
笑うだろうーというサビにあたる部分と”ファイト!”への繋がりが酒井さんの唄で
は劇的な盛り上がりをみせていた。その前に唄われたよしだたくろうの「今はまだ
人生を語らず」は亡き石田善彦さんを追悼したもので石田さんが熱く青春を語っ
た音楽評の対象となった唄である。最後のこの2曲で私は不覚にも涙を落としそ
うになった。谷口顕一郎展の最終日前夜のライブは展示の完成した当日に相応
しく濃い夜となった。ライブ後会場に来ていた陶芸家の毛利史長さんも加わって
自作の曲を歌いまた遅くに駆けつけてくれたアフリカ太鼓奏者茂呂剛伸さんの優
れたジエンベ演奏も入って深夜まで音と唄の競演は続いたのだ。

*谷口顕一郎展「ペインテイングによる」-本日18日午後7時まで。
*いずみなおこ展「森の記憶」-20日(火)-25日(日)
*福井優子キヤンドル展「Cold Fire」-12月11日(火)-23日(日)
*木村環×藤谷康晴展ー12月25日(火)-30日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2007-11-18 14:00 | Comments(2)
Commented by taku 25:00 at 2007-11-18 18:42
展覧会、最終日も観にいくことを、むねとしていますが、今日は、行けそうにありません。残念です。ケン氏のドローイングorペインティング、気になっております。
Commented by テンポラリー at 2007-11-19 15:59
takuさん>残念でしたね。お体に気をつけて下さい。


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