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テンポラリー通信

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2007年 08月 22日

佐々木恒雄展初日ー夏の戻り(4)

佐々木さんの作品を見て誰かが昭和を感じると言った。そう言われて見れば輪郭
の太い描線、茶褐色の色彩にふっと’60年代の「平凡パンチ」の表紙とかを思い
出させるものがある。網走から札幌へ出てすぐに勤めた会社がデザインの仕事で
そこでチラシやらフライヤーやら様々なポップなデザイン技術を叩き込まれたと言
う。そうした商業デザインの世界の底流に’60年代の主流が骨格のように流れて
いてそこを彼は吸収していったのかも知れない。オホーツクの流氷漂う海の明確
な輪郭の風土とどこか惹きあうものがあるのだろう。1984年生れの佐々木さん
がまだこの世に存在しない時代の’60年代を潜ませている事に文化の普遍性を
思った。夕刻初日なのでふたりで外に机と椅子を出し涼みながらビールを飲もう
と提案する。じゃあビールを買ってくると彼が近くのコンビニに出かけている時電話
が鳴り帯広の梅田正則さんと伽井丹弥さんが今札幌なのでこれから行って良い
かと告げる。待つこと暫しふたりが来て4人で飲みだした。初対面の佐々木さんを
紹介し今帯広美術館で「十勝の新時代X」で個展をしている梅田さんのカタログを
頂き話が弾む。十勝と網走なにか全然風土の違うふたりの話が面白かった。初日
午前中から佐々木さんの職場関係の人たちが”お~ぉ佐々木頑張ってるなあ”と
いう感じで訪れ作品をゆったりと見てくれ買い上げてくれたりして佐々木さんの人
柄だなあと感心した。今朝は近代美術館のK氏が別の用事で訪れしっかり評価
してくれた。こうしていい感じで既知、未知の人たちが佐々木さんの作品に触れて
いく。作品世界を通して新たな出会いが生まれていく。毎日がひょっこりオープニ
ングですよと言うと嬉しそうに笑っていた。昨夜は展示に徹夜した佐々木さんが眼
をもうトロ~ンとしてきたので午後11時頃お開きとなった。例によって近くの焼き鳥
屋でたくさん食べ飲んだ。帯広のふたりが気を利かせて奢ってくれる。感謝です。

*佐々木恒雄展「crickers」-26日(日)まで。am11時ーpm7時。
*石田尚志展ー28日(火)-9月9日(日)
*阿部守展ー9月11日(火)-23日(日)
*中嶋幸治展「Dam of wind、for the return」-9月25日(火)-30日(日)
*毛利長史・河合利昭展「産土不一致 sand which」ー10月2日(火)-12日
 (日)
*石田善彦追悼展ー10月23日(火)-28日(日)
  テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り入り口
  tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2007-08-22 12:26 | Comments(2)
Commented by 沼田康弘 at 2007-08-23 12:17 x
22日石狩遊行報告
江別外輪船中庭を石狩川からなのか風が抜けていく。
旧岡田邸の何年も人が手を触れていないアップライト・ピアノと、
かりんが会話するように弾いている。夕海は縁側に座って木漏れ日を浴びている。いしまるはというと、あっちこっち動き回り建物のディテールの写真を撮っている。
モエレ沼公園。石狩川からなのか、石狩浜からなのか、日の沈む方角から風が吹いてくる。ガラスのピラミッド“HIDAMARI”脇芝生でPsalmががパフォーマンス。かりんの演奏に風が琴の弦を鳴らし、二人とコラボレーションする。
雲を奇妙な赤い夕日に染める石狩川河口へ。漆黒の闇の中、河口の波を音を聴く。
Commented by kakiten at 2007-08-23 12:32
沼田康弘さん>いいすね。外輪船ーモエレー石狩河口ー夕陽ー闇
ベストです。あとは腐海の存在をどう感じたかであります。


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