Psalmのライブは定刻午後6時をちょっと過ぎて始まった。会場はほぼ満員。2
階吹き抜けに上がる人もいる。大阪から来たという人もいて追っ駆けだろうか。6
時を過ぎて少し待ったのは及川恒平さんが来ると言っていたので姿見てからとの
配慮があったからだ。福井優子さんの創作キャンドルが会場を構成していてその
灯り以外は使わない方針だった。人と灯りの熱が残暑の夜を満たしつつあった。
演奏が始まった。中川かりんさんの二十五絃筝が華麗に響く。玉井夕海さんの
全身を使った声が物語性を帯びて高らかに透き通っていく。休憩を挟み2時間程
の熱演だった。かりんさんのオーケストラのように音域のある25絃の筝の手さば
きは見事でありそれをバックに夕海さんの凛々しい声はまるでナウシカの再来を
思わせた。北海道のニ風谷をスタートにこれから全国を周って熊本・天草までの
歌と演奏と映画「もんしえん」を携えての旅が続くのだ。本番前の昼食時近くの
お蕎麦屋さんで注文を待つ間夕海さんが似顔絵を描いて見せてくれた。会う前の
想像した私の絵である。まるでトトロのオジサンみたいな頭もじゃあもじゃあの顔、
姿だった。きこりみたいな人を想像していたと言う。苗字から想像したのかも知れ
ない。生粋のさっぽろシテイーボーイ出身の私をなんと心得る!っと冗談話で笑
った。5月沼田康弘さんがパソコンで映画「もんしえん」を見せてくれた後居酒屋
から夕海さんに電話をしアイヌ語の”あンルル”-向こうは海ーという見えない古
代の海の話をした事があった。その電話の声と内容とから想像した人物像がトト
ロのオジサンみたいなイメージだったのだろう。その裏にもうひとつ沼田さんと並
んで描かれた絵も可笑しい絵だった。沼田さんはそっくりだったけど並んだ私は
やはり変だった。沼田さんから想像すると友人の私はこういう感じになるらしく彼
の影響もある訳だ。外見は別にしても心の中にはこういう人の良さそうなぼんやり
したトトロの私がいるのも事実かも知れない。玉井夕海さんは会って時間とともに
段々ナウシカのように凛々しく行動的な女性のイメージになっていく。この全国の
旅はまさしく彼女にとって現代の”風の谷のナウシカ”の旅なのだろうと思った。
*佐々木恒雄展「crickers」-8月21日(火)-26日(日)
am11時ーpm7時
*石田尚志展ー28日(火)-9月9日(日)
*阿部守展ー9月11日(火)-23日(日)
*中嶋幸治展「Dam of wind、for the return」-9月25日(火)-30日(日)