2005年 12月 02日
青春ー朱夏ー白秋ー玄冬と四季を表す言葉がある。頭についている色を 表す言葉になにか惹かれる。今年はまだ雪もなく、師走12月に入ったせいか 玄冬という<玄>の意味する<黒>がリアリテイーをもっている。この黒とは 糸を黒く染めるのに、木汁を使い赤や紫やいろいろの色を重ねて染めその黒 の底に赤色まだが残って見える奥深い感じを<玄>といったと漢和辞典に 記されていて、今の雪という白のない木々の黒々とした風情が、ピッタリの の感じがするのだ。この言葉はきっと雪の少ない所で生れたものと思う。 因みに<染>は木の汁に九度つけて色をそめるのが染という事だそうです。 こうなると<白>秋も気になる。錦の秋ではなく<白>ですから。これは光 のことのようです。日の陰に入る時、天地は薄暗くなって、色の見分けが つかない。暗い中にしろく余光を残している。その状態を<白>といったそう です。これもいいな~。たしかに秋は日が短く、日暮れが早い。その光の動き を秋の特徴として捉えて色に顕すなら朱の夏といい対比と思います。<白> が<ホワイト>ではなく、より自然と呼吸して光も空気も感じられるのです。 色がカラーではなく、氣を漂わしている、立体的に立ち上がってくる。そういえば <花>と<フラワー>の違いもそうです。あなたにはフラワーがあると云っても 誰も喜ばないのです。shitihukuさんからことばについて指摘があったのでふっと そちらのほうに関心がいった。白秋から玄冬へわたしの現在もそんな色に 染まっているようだ。え?年齢だろうって、それもそうだ。
by kakiten
| 2005-12-02 14:41
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Comments(9)
う~ん、こういう場合の英語って難しい。ちょっと大雑把ですね、こういうことを表現するには。
これは自分の仕事でもあるから、よく考えることなんです。 絵画では仰る通り、ネイキッドなんて言葉は使いません。 しかし自分で見られる対象になったとき、 実はヌードではなくネイキッドっていう感じに近いのではないかと感じることがあります。 余分な物を剥ぎ取られてそこに立つ時、人も植物も一緒になる感覚です。 とても単純な存在になり、単純な表現だな、と。 でもちょっとやっぱり表現は難しい。 カタカナより日本語の豊かさですかね。私も勉強不足です。
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時雨、雪、風花と千変万化の中におのずと日本的色彩は生まれ、ものの移ろう翳りをくまなくうつしだすのでしょう。
朱夏、白秋、玄冬、改めて何かを感受しました。 ![]()
soubiさん初メールですね。青春が抜けていますが・・・。青もまた深い春
とおもいます。きっと朱夏の方なのでしよう。私は白秋ー玄冬に始まりましたから。 ![]()
sichihukuさん
そうか~。お仕事ですか。そういえばフランス革命の女神の絵がありましたよね。旗をもって先頭に立っている。あれも革命の精神を表す裸で崇高な凛々しい裸です。コソボやベトナムの少女たちもそうでした。衣装や着物を着た側からみるとヌードであり裸の精神性は喪われますものね。 その時衣装は社会性であり、裸の精神性とは対峙するものです。美術の それは勿論精神の側です。 ![]()
こんにちは!今日はホントに貴重なお話をありがとうございました。
季節の色のお話・・字で読むと、より具体的に想像することができた気がします。 芸術はドシロートですが、また顔を忘れられないうちに伺いたいとおもいます。次回は夜の部で! 看護系の年配の方でした。
あ~、そうか。精神性って生命とかそういうものすべてですもんね。
街路樹を見てもそんな視点を素直に持っていたいものです。 色彩は生き物だって自分のブログでもよく書くのですけど、 色のちょっとした変化すらも見逃したくない。だって私は絵を描いているんだから。 言葉の微妙な表現も同じことでしょうね。 sayakaさん、本日は展覧会案内ハガキを持っていってくださったそうで…ありがとうございます! ![]()
こんにちは。
忘れた傘を再度置いてかえった者です。 ブログを拝見しました。 ひとつひとつ丁寧に、ことばをつむぎ重ねたり、ひも解いてゆけば、すごく深みや魅力が感じられるんだな‥と思いながら、文章を読んでいました。 今日は、どうもありがとうございました。 また美味しい珈琲で温まりに伺いたいと思います。 ![]()
sayakaさん早速ありがとう!裕子さんいつもくつろいでくれてありがとう!傘忘れ続けるのもくつろぎの性かも?shitihukuさんの個展も是非
見てあげて下さい。
私は書道をたしなむものなので、黒というと墨色を意識してしまう。墨にも茶色、紫、青墨、純黒とある。今の時期である若冬 わかふゆ いかにも柔らかで語感のうつくしい言葉。其れを墨に託す事は、目に見る色を、心の色に置きかえることで、色が心に映らなければ、墨色にも映らないのです。書を見るときに多くの人は文字を読もうとしていますが、其れも然り、然し、墨色にも気を止めてみては如何でしょうか。中森さんが玄の黒を言っていましたので、紐解いてみると、玄とは、人生と宇宙の根源で、真、本質、実在でありまた余計なもののない事、おのずからのもの、無為のもの,作為の無い事、を言う言葉であり其れを色に置きかえると黒。其の黒は墨を用いて得られると中国の筆法記に書かれている。そして、其の墨色の黒は真っ黒の一歩手前の色、明るさのある黒で、心を騒がせない色、沈静であって死ではない動きを残す色とある。
近頃、黒をまとうのは、そのような裏付けがあっての事なのか、如何に? |
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