2007年 07月 12日
早朝に目が醒めそのまま起きて朝5時にパンを食べる。今朝は曇天。暗い朝だ。 ぼんやりと来し方を思う。いっぱい着込んでいた20代。随分と脱いできたなあ。 中身は細く薄かったが帰郷していっぱい背負い込んだ。それなりにやってしまっ た。ヤングエクゼクテイブ?ふっと皮肉な笑いが浮かぶ。父が死んで故郷に戻っ た。父の遺志。母の意思。ふたつの狭間で悶えていた。父の遺志を立てれば母 の意思を殺し母の意思に沿えば父の遺志を殺す。そういう増幅する社会環境に いた。だから苛立って自分探しの磁場を求めてもがいていた。背中を向けて逃げ はしなかった。だから母の意思にも加担し事業家のように動きもした。また父の遺 志にも従い家業の分野の専門知識も磨いた。どちらであれ自分は自分の価値観 が自然と働いた。それで誉められもし叩かれもした。でもどこか引き裂かれていた 。もっと自分らしくなりたかった。その選択を何度か決定的にしてきた。そしてその 選択の実行の度に何かを切り、喪ってきた。それは母だったかも知れないし女房 だったかも知れない。また親戚だったり友人だったかも知れない。後悔はないが 心の荒野はある。昨年もまたそういう選択を迫られた。そして今がある。もう着込 んでいたものは無くなり志しの骨だけとなりつつある。自らが望んでそうした事だ。 後ろ向きの視線はない。ただふっと過去から風が立つ。ひやりと吹いてくる時があ る。人が人を思うそんな瞬間が隙間風のように吹く。部分的な記憶がついてくる。 それは黙して耐えて受け止めるしか今はない。<transparent>-透きとおる、 透明なーという英語を聞いた時すごく楽になった。<parent>ー両親、親、根元 、元。がtrans-横切って、貫き通して。透明になるのだ。だからなにかほっとした のだ。そう希って生きてきたのだ。透明な骨には風が沁みる。遠くにいたなら望郷 の想いで包まれていたかも知れない。さっぽろ、骨がらみ、肉がらみ真っ向から向 き合い対峙してきたから百年の孤独も引寄せたのだ。明治の祖父,祖母。大正昭 和の父。昭和、平成の母。それぞれの時代が重い。仏壇背負って引越しである。 身体を見詰める。そこにはみんながいる。骨組みしっかりと多少ガタがきているが 丈夫な身体の自分がいる。その事に感謝する。トランスペアレントー透明になる。 だから見えてくるものもある。ただ時に風が沁みるだけだ。不眠/早起きの朝露の ような独白である。 *後藤和子展「青焔sei-en」-15日(日)まで。am11時ーpm7時:作家作成の 動画完成。青の作品が離合集散を繰り返し自由に動き回るCG作品。リアルタイ ムのカタログテキストも同時作成。陽光の会場作品とともにこの3点セットは気迫 の展開。 *石川亨信展「each pulse、each tempo」-7月17日(火)-29日(日) :僧侶にして版画家。祈りの門のような渾身の展示。 *村岸宏昭の記録展「木は水を運んでいる」-8月7日(火)-12日(日) 昨年8月急死した若き才能の多彩な記録。インスタレーシヨンの再現を試みる。 併催ー遺作コンサート8月10日(金)午後6時~於ザ・ルーテルホール(大通り西 6):追悼ライブ8月6日(月)午後7時~於ライブハウス「LOG」(北14西3) *及川恒平ライブ「だきあえぬうお」-8月18日(土)午後6時~ 今年5月に続く魂のフォークソング。入場料3000円前売り2500円 *Psalmライブー8月19日(日)午後6時~映画「もんしぇん」のサウンドライブ 主演玉井夕海と中川かりんによる音楽パフォーマンス。入場料1000円 於テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り tel/fax011-737-5503
by kakiten
| 2007-07-12 10:25
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