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テンポラリー通信

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2007年 06月 29日

6月の独白-夏の旗(22)

夏の年が始まって、もう春も過ぎ初夏も終わりに近い。濃い夏の真っ只中がこれ
からやって来る。5月、6月は命溢れそして死者も激しく往還した月だった。女房
の死からもう三七日も過ぎようとしている。5月旧友佐々木徹さんの個展直前の
無念の死に遇い6月は身内の己の来し方をを鋭く抉る死と出会った。またその間
昨年8月に遭難死した故村岸宏昭さんの追悼展の打ち合わせが間断なく行われ
ていた。人は死者となっても生者に雄弁に語りかける事を止めない。生と死の界
を照射し生の根源的意味を問う。そして何よりも生者はその研磨に耐えねばなら
ない。普段の何気ないカーテン一枚の風のそよぎにも個人的な訳があるから。死
は生を純化する。故人の一生も、今また生き延びている怠惰ないい加減な自分を
も。汚濁や穢れを直視する。そしてその中に真実を見る。遠回りしていた自分の人
生を見それが事実でありやはり掛替えの無い生き様だった事に気づく。若く愚か
な思い上がった過去の自分に出会う。それも含めて今を思う。痩せた身体の芯に
出会う。貧しく心がピンのような細い連続となっている。そこから爪先で立つ。それ
しかないよと自分で自分に呟く。曖昧でいい加減で素寒貧の寒々とした自画像を
見る。社会環境の激変の最中で1897年発の生業を背負おうと慣れぬ事業家風
だったり老舗に徹しようともがいたり志しの文学青年であろうとしたりごっちゃ混ぜ
の青春が今も痛む。器用ではなかったがまったく無器用でもなかった。だからい
ろんな衣装を着ていた。そして人との別れと共に脱いできたように思う。もう今は
脱ぐものも無く売る春もない。そう、福島泰樹の短歌ではないが男は裸で<秋を
売る>。夏の年の果て、秋に向かってこの素寒貧の掛け値なしの私と向き合って
いく。
あと1日を残す6月の今日若いgla_glaスタッフのふたりの展覧会も今夜で終る。
表現の骨格を垣間見せた屋比久純子さん、本来のリンゴのような可愛さを形に
した藤原典子さん次へと繋がる初のふたり展でした。次回は個展でまた会いた
いと思います。本来違う表現の根を保っているのだからふたり展はこの次から
はお互いに遠慮と負担となるでしょう。だからそれぞれの自立ー個展がいいと
思うのです。6月最後に近く私の勝手な独白でふたりには申し訳ない事でした。

*屋比久純子・藤原典子展「LALALAガラス展」-今日29日まで。
*後藤和子展「青焔seiーen」-7月3日(火)-15日(日)
*石川亨信展「each pulse、each tempo」-7月17日(火)-29日(日)
*村岸宏昭の記録展「木は水を運んでいる」ー8月7日(火)-12日(日)
 -遺作コンサート:8月10日(金)午後6時~於ザ・ルーテルホール(大通り西6)
 -追悼ライブ:8月6日(月)午後7時~於ライブハウス「LOG」(北14西3)
*佐々木恒雄展ー8月21日(火)-26日(日)
 於テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2007-06-29 12:07 | Comments(0)


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