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テンポラリー通信

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2007年 06月 21日

すきとおった風ー夏の旗(14)

門馬よ宇子さんが亡くなった。前の円山北町のスペースには時々来てくれお気に
入りだったと思う。夜のライブにも何度か聞きに来てくれた。ロック系の激しい音の
時が記憶に残っている。80歳を過ぎても過激だった。と言うか失った時間を貪欲に
吸収しようとしているようだった。古いセピア色の写真で構成された屏風のような作
品を見た事がある。結婚式の写真とかを蜜蝋で封印して一面にコラーッジュした作
品である。門馬宅のアトリエで拝見したと思う。門馬さんの来し方を封印して棒っこ
のように振り回す強力を感じた。そこに来し方への感傷や懐旧の情は無かった。な
んぼの人生さ、でもこれが私さと如意棒か金棒のように人生持ってがーんと構えて
いる門馬さんがいた。同じさっぽろの都心部で生まれ育ったので話が合った。しか
しそんな話はあまりしなかった。美術への出発は遅いものだった。だからどんどん
吸収してそれまでの遅れを取り戻すような濃いエネルギーがあった。そして若い人
が好きだった。同じレベルで話し合う事が嬉しかったのだろう。晩年若い人の育成
に目を向け育てようとした動きがあったがそれは本意ではないと思う。一緒だった
のだ。一緒に吸収し感心し驚く。そんな時間を共有しようとしていたのだ。身体は若
くはなかったが心は若者だった。あの好奇心は年齢の上位にいる人のものではな
かった。周りが美術に理解ある裕福そうなお婆ちゃんの役割を自然に醸し出してい
た。本人もそれは自覚しそのように振舞っていたかも知れない。だが違う。あの人
は青春にいた。自分の人生を束にしてぶんぶん振り回し第一線の現場にいた。年
齢の上位なぞにはいなかった。私の数少ない記憶ではいつもそんな風に門馬さん
がいる。「朧夜の底」というブログで成田尚吾さんが心篭った追悼文を書いている。
そこに見る門馬さんは正しく美術という棒きれを振り回しやんちゃな必死の人間だ
った。23歳の成田さんは真っ直ぐに80ん歳の門馬さんを同じ高さの目線で見詰
めている。そこが門馬さんの真骨頂だった。あの山のアトリエとギヤラリーで充分
幸福だったと思う。何もいわなくとも自然に若い人が慕って集まっていたから。もう
一度個展をきちっと見たかった。彼女の人生の如意棒の向こうにきっとある成田さ
んの詩の引用にあった<きれいな青ぞらとすきとおつた風>を感じたかった。

*屋比久純子・藤原典子展「LALALAガラス展」-6月19日(火)-29日(金)
 -gla_glaの女性スタッフふたりの初展覧会
*後藤和子展「青焔seiーen」-7月3日(火)-15日(日)
*石川亨信展「each pulse、each tempo」-7月17日(火)-29日(日)
*村岸宏昭の記録展「木は水を運んでいる」-8月7日(火)-12日(日)
 -遺作コンサートー8月10日(金)午後6時~ザ・ルーテルホール(大通り西6)
 -追悼ライブー8月6日(月)午後7時~ライブハウス「LOG」(北14西3}
*佐々木恒雄展「2」-8月21日(火)-26日(日)
*石田尚志展ー8月28日(火)ー9月9日(日)
*阿部守展ー9月11日(火)-23日(日)
*中嶋幸治展「Dam of wind for the return」-9月25日(火)-30日(日)
*毛利史長・河合利昭展「sand which」‐10月1日(月)-12日(金)
*石田善彦追悼展ー10月23日(火)-28日(日)
*谷口顕一郎展ー11月3日(土)-18日(日)
 於テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り
 tel/fax011-737^5503

by kakiten | 2007-06-21 12:23 | Comments(3)
Commented by AJ at 2007-06-22 00:51 x
kakitenさん
初めまして。AJというものです。
伏籠川について検索していたらたまたまたどり着きました。
kakitenさんの伏籠川、そしてかつて水の都だった札幌に対する思いをとても興味深く読ませて頂きました。
実は私は現在大学院で建築・都市計画を学んでいる身で、
日々、我々の住むマチをよりよいものにすべく研究しております。
札幌を個性豊かな情感溢れる魅力的な都市にしていく上で、かつての札幌にたくさん流れていたという川やその源のメムは非常に大切にしていかないといけないのではないか。
まさに水があったからこそ札幌は発展したわけですし、その再生を考えていくことが21世紀の札幌発展の重要なキーになるのでは...みたいなことを日々考えながら過ごしております。
そういう中でkakitenさんのサイトを発見し、川に対するその豊富な知識と川への思いに「おぉ!」っと思ってしまった訳です。これからもちょくちょくチェックしますので川に関するお話楽しみにしてます。
最後に質問なんですがサイトの右上にある現在の札幌とかつての川を重ねた地図、あれはどこかで売っているものなのですか?
できることなら見てみたいので教えて頂けると嬉しいです。
Commented by kakiten at 2007-06-22 09:51 x
AJさま>サイト右上の地図は地盤地質図です。緑の濃い部分は自然
堤防で左上部に伸びて伏篭川が大きな川であった事を示唆します。
右側の緑部分は豊平川です。国土庁の地質の関係で探すと手に入
るでしょう。また一度お尋ね下さい。色々資料あります。札幌の人で
すよね。
Commented by AJ at 2007-06-22 21:49 x
ありがとうございます。一度調べてみます。
ちなみに出身は関西ですが札幌在住6年目になります。


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