タンポポの綿毛が飛んでいる。葉裏の光が濃い。路辺を薄紫に染めていたあの桜
の花びらの花溜まりは何処に逝ったのだろう。一気に夏が走って来る。「ヤシンカ
の森」有本ゆかりさんの会場はいつも人が絶えない。絵を見、作者に会いに来る
人が彼女を囲んで談笑して途切れない。一昨年の小樽での個展以来待っていた
人たちが多勢いたのだろう。そして何より困難な病を克服して生きる場を自ら創っ
ていく上昇する力のようなものに彼女自身が満ち溢れている。そのオーラが人を
惹きつけて止まない。すでに場所を確保したアトリエ「ヤシンカの森」の開設に向け
て今回の個展はいわばその前哨戦のようにあって様々なジャンルの人たちが彼女
の体の復帰と新たな空間に祝意と励ましの気持ちで集まって来ているのだ。夏へ
の疾走、開く生命の解放力。欲望の開花。そんな気持ちが作品以上に本人の新
アトリエへのメッセージには満載である。「いずれは絵やオブジェや詩や音楽、お
いしいパンやおにぎりやお茶それを味わう器などなどゼロから少しずつ増やして
いきたいです。」この盛り沢山の夢をひとつの場所に結集してまさに進もうという時
期での今回の個展はそうした夢の語り合う場としてあるいはその実践の予定を練
る場として多くの人に声をかけ語り合うサロンの場ともなっている。有本さんの生き
る心の綿毛がタンポポのように四方に飛んでいるのだった。ここにも初夏の風景が
ある。ワイルドサイドー夏の風景。
*有本ゆかり展「ヤシンカの森ーインドからの風」-10日(日)まで。
*LALALAガラス展ー6月19日(火)-29日(金)
(屋比久純子・藤原典子ーgla_glaの初の女性ふたり展。)
*後藤和子展「青焔sei-en」-7月3日(火)-15日(日)
*石川亨信展「each pulse、each tempo」-7月17日(火)-29日(日)
*村岸宏昭の記録展「木は水を運んでいる」-8月7日(火)-12日(日)
於テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-北大斜め通り
tel/fax011-737-5503