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テンポラリー通信

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2007年 05月 25日

真っ白な階上空間ー5月の共和国(11)

樫見菜々子さんが男性ふたりを助っ人に昨夜7時からどんどん会場造りを進
めた。階上の床は以前のままだったが今回真っ白にペンキを塗る。また新たに
持ち込んだ白い梯子が空間を引き締める。さらに入口部分にカーテンを設定した
。空間が変化する。段々と樫見ワールドが現出してくる。2階北側のスペースに
黒い鳥のような動物を置いた。大きめのカラスのようだ。ふっと彼女のDMを思い
出す。表面は黄色一色で情報が印刷されているが裏は真っ白で何も印刷されて
いない。ただ左隅上部に黒い鳥の両足と尾羽が刷られている。これだなあ、とうと
う出たかと思い声に出した獰猛な鳥だなあと言うと樫見さんがニャリと笑った。芸
術の森美術館の北の創造者たち「らぶりぃー」で見せた表現とは違う。この黒い
鳥に送風器で風をあて羽をなびかすという。獰猛な鳥禽類がでてきたのだ。今後
どういう空間になるのだろうか。ニャリと笑った明日以降の展示が楽しみだ。いつ
の間にか11時過ぎになり昨夜の展示準備は終った。カーテンの位置ひとつにも
細かな設置の位置がある。神経が行き届くまで、納得するまで何度も変更する。
展示もまた大事な作品行為である。アトリエや工房での作業とはまた違う仕上げ
のインスタレーシヨンなのだ。某画廊ではその時間が2時間しか無いと言う。それ
ではまるでデパートの催事場の搬入ではないか。モノの移動というハコでしかな
い。ハコモノ行政ではないが小奇麗なハコにモノを置くのが展示ではない。会期
中作家にとって空間はひとつの街角であり、一本の樹木の宇宙なのだ。また創
造の旅のひとつの駅舎でもある。新幹線の点のような通過駅ではなく溜まり、澱
み溢れていく駅舎なのだ。川で言えば函である。深くゆっくりと流れ溢れていく函
である。最初から大河などない。小さな川が幾つもの函を繰り返して大きな川に
なっていくように作家にとつても展示の函は重要である。用水路のように一気に
海へという事があるのはおかしいのである。小さくとも固有の空間を保ち淵のよう
に函のように時空を保つべきなのだ。個展が大切なのはそういう函の時間を保つ
からだ。多人数を集めてあたかも大合流があったかのように大きなハコに集合さ
せるグループ展もほとんどがハコモノ展覧会である。山間部のダムみたいなもの
である。小さな固有の流れそこから生まれる小さな出会いのような自ら溢れる函
の力を軽視している。最初から大河などないのだ。同時代の海に注ぐ川は源流
の一滴の小さな流れ、その美しい渓流からこそ始まる。樫見菜々子さんの会場
造りにかける熱意はこれから函として充実する美しい時間の充実でもあるだろう


*樫見菜々子展「微風」-5月29日(火)-6月3日(日)am11時-pm7時
*有本ゆかり展「ヤシンカの森ーインドからの風」-6月5日(火)ー10日(日)
*gla_gla2人展ー6月19日(火)-29日(金)
 於テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り
 tel/fax011-737-5503 Email→temporary@marble・ocn・ne・jp
 

by kakiten | 2007-05-25 15:12 | Comments(0)


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