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テンポラリー通信

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2007年 03月 15日

冬のロボットー春のにおい(27)

今日及川恒平さんが小学校から高校までを過ごした釧路でコンサートを開く。恩
師友人との再会を楽しみにしている事が彼のホームページに溢れている。東京
の大学時代からフォークのアイドルとしてその美声とともに売れっ子となり忘れ去
られていた故郷に今日向き合う。それはきっと回顧だけではないだろう。すべての
音楽活動を止めた十年を経て歌手活動を再開した復帰第一作「みどりの蝉」とい
うCDに「冬のロボット」という曲が入っている。<冬のロボット ラジオをひろった 
知らないことばがこぼれてくるだけ ひとり困ってもとへと戻した 「ウマレタコロノ
コトヲオシエテ」・・・おそいかな・・・・あえるかな・・・>商業主義のアイドル時代を
振り返るようにいつかぽつりと「首から上で唄っていたなあ」と洩らしたのを聞いた
事がある。<首から上>という感覚と<冬のロボット>という歌は私には重なって
聞こえたのだった。一昨年から続いた北海道ツアーは札幌を中心にあったが今回
の釧路を中心に行われる道東ツアーは「ウマレタコロノコトヲオシエテ・・・おそいか
な・・・・あえるかな・・・」というロボットの呟きの本当の実践となる。声を通した表現
者としての及川恒平が声の本質にある自分の根拠のようなものに出会う旅。そん
な予感がする。生まれ育った場の空気、光、緑、雪、水。それらが保つある輪郭
そして風景の骨格。そこにきっと及川さんは懐かしい人たちと共に触れてくる。
それは回顧でも懐古でもない。ウマレタコロノコトヲ回復し再生するアンダーマイ
ンする行為なのだ。一昨年から始まった北への探求の旅はある輪郭の旅からよ
り本質的な骨格の旅へと深化しつつあると私は思う。自分のウマレタコロノコトを
再奪取するロボットの旅は深くラデイカルな創造の為の行為なのだ。私は私で
札幌でさっぽろを見詰める骨格の旅を続けながらそう感じている。おそいかな・・
あえるかな・・・と不安に襲われながらも断固として。

*斎藤周展「3月の次から」-3月13日(火)-25日(日)am11時ーpm7時
 月曜休廊於テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8
 北大斜め通りtel/fax011-737-5503
*ライブドローイング3月17日(土)終日予定。 

by kakiten | 2007-03-15 12:28 | Comments(2)
Commented by killingyousofty at 2007-03-16 00:57
今日はお話をちゃんと聞けず、どうも失礼いたしました。それといただいた文章読ませていただきました。次回お伺いするときにはその感想も交えてゆっくりとお話できたらと思っています。今日はありがとうございます。
Commented by kakiten at 2007-03-16 10:43 x
killingyousoftyさん>まあ早口であんなもんです。repablicのREに反応してくれたので伝わったと思います。


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