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テンポラリー通信

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2007年 02月 05日

冬の高臣大介展終るー函となって溢れる(51)

1日雪が降り、時に吹雪き、時に日が射す。その度に光が変化し作品の表情が変
る。携帯のカメラで撮る人が多い。朝一番最初に来た人は北大四年生の今年卒
業の人だった。前からここが気になっていたらしいが今日は意を決して入って来
た。ゆっくり作品を見て大介さんと話をしていた。今年横浜へ就職が決まり札幌を
去ると言う。旭川で生まれて学生時代を札幌で過ごし今春未知の横浜へ。そんな
環境の変化を前にして彼女が選んだガラスの作品は円い吊りの花入れだった。
今手持ちがないので夕方お金を持ってくると言う。予約のシールの代わりに本人
が出したのは兎のシールだった。大介さんがガラスの内側に張る。お月様の兎の
ようだった。それから午後三時過ぎまで人が絶えなかった。遅い昼食をふたりで
すます。夕刻次の展示者藤谷康晴さんが来る。それを機会に酒を飲み出す。朝
一番の北大生が来る。丁度旭川の銘酒男山を飲んでいた。彼女の故郷の酒だ。
故郷の酒と札幌の思い出に透明なガラスを購入し気持ちがいいのか色々と語っ
た。きっと横浜へ生活の拠点が移ってもこの時間そしてガラスを見るたびに北の
空気を思い出すだろう。冬の冷たい空気のように。彼女が帰ってから酒井さんも
来てギター演奏をバックに高臣大介ショウーが始る。もうそこはジュークボックス
状態だった。最後はやはり陽水の「夢の中へ」の合唱で終る。午前零時を過ぎて
いた。今朝は搬出で洞爺から奥さんの亜紀さんをはじめスタッフが来る。今日は
晴れて路面が露出して黒い。雪男大介の個展は終わりと共に雪も消えた。昨日
の美しい雪景色は今日はもうない。冬のガラス展は彼のキヤラクター通りキラ
キラと明るく燃えて終る。今春横浜へ旅立つ人が最後に彼の作品を購入してく
れてその人生のひとつの節目のように作品もきらきらと輝いて人から人へとハイ
タッチ。七日からモエレ沼での野外展示がまた始る。しばらく燃える男高臣大介
の冬は続く。

 追録ー小樽の詩人高橋秀明さんの詩が今回の高臣大介展の展示中に
      送られてきた。偶然ではあるが今回の展示の白眉「ギユウギユウ
      詰め」という作品と交感したと思われるのでその一部を載せます。

                     瓶詰歌

  そのとき私が見つけたのは瓶詰めされた歌だった。透明なガラス瓶の中で
  は太古の火芯が小刻みにふるえながら封印されていた。外側のラベルに
  は「すべての歌は内から火に照らされて踊りめぐるものでなければならな
  い」と注意書きが記されていた。手に持つとかすかに温かく、置くとまわりが
  仄かに明るむ。しかし遠目には冷たい照り返しを光らせるだけの小さな瓶
  だった。・・・すべてが開示された後、結果こそ原因に他ならなかったとわか
  ることがある。私は瓶詰歌を探していたのだった。

*藤谷康晴展「concrete fiction」-2月13日(火)-2月23日(金)
 AM11時ーPM7時月曜休廊於テンポラリースペース
 札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2007-02-05 13:19 | Comments(2)
Commented by usako at 2007-02-05 22:32 x
こんばんは。おいしいお酒とあたたかい空気をありがとうございました。
「人はみんな函。」
うちでぶら下がっているあの子を見るたびにその言葉を思い出してしまいます。
また雪と空のきれいな日に遊びに行きますね!

Commented by kakiten at 2007-02-06 11:06 x
usakoさま>早速にコメントありがとう。未知の場所へ旅立っても
まあるいガラスの一輪挿しには北の綺麗な空気と空がいっぱいで
すよ、きっと。こちらこそいい時間有り難う御座いました。


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