雨である。ぬかるみ、流れる。歩く場所が少ない。車道に寄る。車が来る。水が跳
ねる。時に滑る。まあ~苦労するわ。靴が濡れよたよた。ギヤラリーに着く。氷柱
が落ちている。雪とgla_glaがないね。昨日までの風景が変る。風景と光が場
を創る。作品もまた場とともに呼吸している。これはこれで今日の日。パソコンを
開くと先日の酒井さんのライブの感想が溢れていた。Aさんの心深い感謝のメッ
セージ。向日葵さんの懇切丁寧なライブ写真と記録。どちらもが酒井さんの熱唱
を称えるものだった。私が勝手に自己中に陥っていた為見えなかった笑顔が溢れ
ていた。写真は特に正直だった。大介さんの気持ちよさそうな唄う顔。酒井さんの
笑顔。聞く人それぞれの昂ぶる気持ち。それらすべて含めてのライブ。<あの日
はとてもよいライブでしたよ。みんなの酒井くんへの愛にあふれていました。感じ
方はほんとうにひとそれぞれだと思います。すてきな場をありがとうございます>
<ふたりの世界はとても大きな力になりました。そしてそれはいただけるときとい
うのはどんな状況でも関係ないのです。いいライブの時はいつもそうなのですが、
ひとが何人何をしていようが関係ないのです。そのまままるごとがいただけるもの
なのです。>Aさんからそうメッセージを頂いた。玄米の咀嚼。ここでもそれを感じ
る。そのまままるごと。私は自分の早飯、性急さ、その暴力的な直線性を何か打ち
のめされるように感じていた。うすうすは自覚してはいたがおふたりの文と写真を
見て決定的にそう思ったのだ。ナイト(騎士)を気取ったピエロとはこの事である。
肝心の歌を聴いていなかった。ある方には申し訳ない事をしたと自省する。そして
なによりもおふたりの真っ直ぐな心篭ったメッセージに深く感動した。昨日書いた
白い樹、雪の森への乾きはきっとそんな苦い想いが書かせたのかもしれない。
今日の雨の日と同じぬかるみ、心の靴よたよた。再びデラシネの自分を見る。
夜、久し振りにグレングールドのバッハ「二声と三声の為のインヴェンシオン」を
聞く。
*冬の高臣大介ガラス展「雪とgla_gla」ー2月4日(日)まで。
於テンポラリースペースam11時ーpm7時
札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り