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テンポラリー通信

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2007年 01月 29日

風乱れるー函となって溢れる(44)

闘病生活を続け今は自力で薬に頼らず根本から身体を治癒してきたAさんが来
た。私に玄米の咀嚼を教えてくれた方である。ゆっくりと自身のリズムで高臣さん
の作品を見ていく。最後に小さな器を選び満足そうだった。今日は余り体調が良
くはないと言う。でも気持ちはいいので酒井さんのライブを聞いていこうかしらと
迷っていたが結局聞いていく事になった。一昨日の事である。酒井さんの今年初
のライブは隣のテーラー岩澤さんの店で行われた。いつもより少人数ではあった
が高臣大介さんも加わり来た時からハイテンションだった丸島さんも含めなにか
ざわめくものが漂ってライブは始った。遠藤賢治の「夢よ叫べ」ほか「夢」のつく歌
を三つリクエストした通称向日葵さんの歌が始る頃はもうそれぞれがばらけて私
話が耳障りになる。それぞれのテンションは高いのだが歌に集中していない状況
だった。私は病後のAさんに初めて聞く酒井さんの唄をもっと静かに聞いて貰い
たかった。大介さんは最初からテンション高くかってパンクのヴォウカリストだった
血が騒ぐのかもうリズムをとって踊りだしていた。藤谷康晴さんも珍しくお酒をガン
ガン呑んでいる。丸島さんはAさんとの私語に夢中で次第に唄はそっのけで声高
になる。それぞれのテンションは高いのだが座はばらけてバラバラの宴会状態に
なる。いつものライブとは違って私は集中できなかった。Aさんを送り早目に会場
を後にした。昨日は大介さん在廊の最終日で多くのお客さんが切れ目なく来た。
終わりの頃野上裕之さんが来た。大介さんのいる時にどうしても来たかったと言う
。吹き抜けに置いてある前回の彼の作品椅子と大介さんのガラス「ギュウギュウ
詰め」の巧まざるコラボレーションには本人もいたく感激していた。照明を裸電球
ひとつにして見る。二階の窓の仄かな外光と電球のうっすらとした灯かりに会場
全体がドームのような教会の伽藍のような雰囲気になって美しい。弱い光をガラス
が拾って微かに煌き野上さんの椅子の彫刻が濃い影のように寄り添っていた。祈
りのような背の垂直に伸びた線が美しい。ふたりの<ギュウギュウ詰め>が見事
なハーモニーを創っていた。バックに流していたジョンルイスのバッハ「平均律グ
ラビア集」が音としても調和していた。”この音楽をいつも流して下さい”と大介さ
んが言った。”僕のいない時もいつも・・。”来週からはそうしようと思う。その後は
酒井さんもギターを持って来て、大介さんが歌い野上さんが唄いキラキラと夜が
更ける。”これは前のスペースと一緒だあ”と大介さんが言った。”石田さん、燃え
る街角はやはりここなのですね、”と私は胸に呟いていた。そして、最後に井上陽
水の「探しものは何ですか」の大合唱でこの日の夜は終わった。

by kakiten | 2007-01-29 12:55 | Comments(4)
Commented by ありもと at 2007-01-30 18:59
念願の酒井くんのライブを偶然に聴くことができました
ライブはその場すべてを楽しめます
聴いていた皆が、魂に響く酒井くんの唄声にこころをひらかされ
ざわめきも含めてとてもきもちよく時が流れていきました
愛にあふれたすてきな時間でしたよ
身体にも効きました
皆さんに感謝!
Commented by kakiten at 2007-01-31 11:43
ありもとさん>そう言って戴きこちら方こそ感謝します。”身体にも効き
ました”私は勝手に心配し過ぎて失礼あったかと思います。有本さん
含めて皆さんにご免!です。
Commented by パセリ at 2007-02-01 19:48
私はkakitenさんのファンで陽水の大ファンです。
あの唄の題名は『夢の中へ』です…
Commented by kakiten at 2007-02-02 11:15
パセリさま>そうでしたね、すっかりあの日は頭が混乱していて、探し物
の状態だったのでしょうね。夢の中よりも。コメントありがとう。


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