円山市場近くのカフエで開かれている藤谷康晴展「路上でお茶を」を見に行く。来
月13日からテンポラリースペースでも個展が予定されている。昨年7月にここで
初めての個展以来進境著しい藤谷さんの新たな展開を予感させる展示だった。
一緒に行った酒井博史さんが即反応してきた。来月17日の彼のライブは藤谷
さんの展覧時期と重なり藤谷さんの作品の中でのライブとなる。唄う歌を作品に
合わせテーマを絞ると言う。ここ半年余りふたりの出会いのある節目が唄と絵を
通して表現されるだろう。藤谷さんの描く都市の風景そして街っ子酒井さんの唄
がここでクロスする。ふたりの目線の違いと共通するその目線の向こうのもの。
それが会場で溢れるだろうと思う。私は酒井さんに彼のオリジナル曲を注文した。
もうそろそろ出てもいい頃なのだ。古い商店街東屯田通りに代々ハンコ屋さんを
営み旧曙小学校を若い作家たちを中心に開かれた場として立ち上げ挫折した彼
の街への屈折した想いが都市を凝視する美術家藤谷さんとの出会いを通して今
新たな展開を見せようとしている。そんな時にこそもうひとつの酒井博史、歌い手
としての新たな表現が顕われるに違いないのだ。人は人と出会うことでその出会
いの身じろぎに空気が動く。風が立つ。そして風が深まる。藤谷さんの作品に声
が生まれる。酒井さんの声に風景が生まれる。きっとそんな時間がもう約束され
ている。古い街道の裏にある喫茶店の藤谷康晴展会場で三人の話は途切れる
事がなかった。前回書いたブログの文章を三上勝生さんがご自分の「三上のブロ
グ」に引用し熱く語ってくれている。引用されたこちらは恥ずかしく照れるが励まし
のお気持ちは深く心に届く。感謝です。野上裕之展でも心底の展覧会評を載せて
頂いた。同じように三度も見に来てドキュメントのように自らのブログに掲載してく
れた流星の名の方からテンポラリーコミユニテイを立ち上げてはと提案された。
そうしたいと思う。せっかくの優れた展評、記録として残し公開したい。私のブログ
ともども作家と作品の時間を見た方の記録と共有する場を作りたいと思うのだ。
とりあえずミクシイにその場を設ける積り。来週からは冬の高臣大介ガラス展が
始る。ちょうど一年前のスペースのラストを飾りここでの再開の最初の展覧会も
彼だった。毎年夏と冬に開くのは先人の年の数え方、冬の年、夏の年に倣ったか
らである。冬の年の新たな始まりの今、明後日からの高臣大介展は今度も熱い
スタートとなるだろう。
*冬の高臣大介ガラス展「雪とgla-gla」
1月23日(火)-2月4日(日)AM11時ーPM7時(月曜休廊)
於テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8