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テンポラリー通信

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2007年 01月 18日

心に沁みるー函となって溢れる(36)

東京目黒のMさんから便りある。心に沁みる。かって川俣正のテトラプロジェクト
を共にする。円山北町の一軒家を木材で梱包するプロジェクト。1ヶ月間熱い時
間だった。<今が頑張りどき>遠い時間、遠い距離、でもその言葉が心に沁みる
。ひとつの展覧会が全力で駆け抜けふっと空いた今の時間。疲れがいつの間に
か出た。溜まっていた。うずくまる心の姿勢に刺さってくる現実もある。それが重く
重なってくる。そんな時の言葉の暖かさ、冷え込んだ体に熱い珈琲ごくりなのだ。
魂は千里を走る。心も千里を走ってやって来る。かってを振り返っているのではな
い。今を見ている。今横で肩を叩く。<今が頑張りどき>。拙い記録を日々記す。
その呼吸が伝わっていく。だから過去ではない。今横に居る。貧富、時間、年齢、
場所、性別、勝ち負け色んな区別差別がある。過去現在もそうかもしれない。でも
変らぬものがある。今を見、感じる呼吸のような息遣い。そしてまた出会う時間。
やあ~!と手を振って。作品と同じような時間。人と人の間にあるささやかな短い
一瞬の。開き、溢れる時。そんな風に受け留める暖かい言葉の重さもある。自分
が小さく細く脆く消えたくなる時もある。私は少しもそれ相応ではない。俗で傲慢
でいつも逃げ腰だ。そしてその弱さを見詰めた時少しだけ強くなる。強くなろうと
する。それは自分との闘い。Mさんの一言が沁みいるのはそんな時だったと思う
。先日野上さんの本当の最後の日Aさんを送って伏見稲荷近くの自宅まで歩い
た。ぽくり、ぽくりとAさんの歩調に合わせ歩いた。水の道を辿り伏見稲荷の石段
を登る。雪で石段が消え斜面になっていた。登りの筋肉が鍛えられていない。息
が切れる。Aさんは日常山坂の道を歩き慣れている性かすいすい登る。真っ赤な
鳥居をくぐり神殿に入る。ゆらゆらと灯かりが点いて山の冷たい澄んだ霊気が支
配していた。水の道、川の道その精霊たちも寄り添って肩を叩いてくれたのかもし
れない。

by kakiten | 2007-01-18 15:31 | Comments(0)


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