あなたには先の見通しがないとある人に言われた。経済を基本にした関係の人
である。若くもない、お金もない、仕事の未来性も感じられない。そういう事だった
と思う。どういう人が先の見通しを持ち未来性を持っているのか聞き損ねたがとに
かくそういう私への批判である。ギヤラリーという固定した何屋さんという物を持た
ない空間の業は美術的な物を陳列さえしておけば画廊として通るのだろうが内側
から作品や作家と四つに組んで発信していくここの場合は理解しづらいのかもし
れない。しかし将来性と呼ぶ未来とはなんなのだろうか。明るい未来を持った仕事
とは何なのだろうか。私は死者すら未来を設定してくれるのを今経験している。ま
して生者においてはなおさらにである。この半年余りの間に開かれた個展はみな
此処で発し次へと繋がっている。それが私の未来である。次なる野上裕之展を見
次なる藤谷康晴展を見、故村岸宏昭追悼展を見、次なる阿部守展を見ること。そ
れが他の作家も含めて私の前に広がる未来である。酒井博史さんが初めて立ち
唄ったように表現者は変貌するのだ。美術家もまた変貌する。そして此処に立つ
。再び。場は深まっていく。その深まりに未来がある。私はそう信じてここに生きる
。半年という短いといえば短い時間だが個々の作家の此処での濃い時間は決し
て短くはない。深いのだ。そう思う。そしてその深さが未来を創るのだ。
*冬の高臣大介ガラス展「冬のglaーgla」
1月23日(火)-2月11日(日)AM11時ーPM7時(月曜休廊)