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テンポラリー通信

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2007年 01月 02日

深々と熱い年を越すー函となって溢れる(22)

野上裕之さんの三つ目の作品は椅子の形をしている。足は3本。座る部分は三角
形。背の部分は一本に寄り合わされた同じく3本の線木が重なって上下の長短が
やがて一本の2メートル程の高さに完結する。素朴なジャコメッテイー、扇状に開
いた手のような柔らかい直立、そして座る背高な椅子。この三点の作品が配置を
決め存在するとそこに在る空間がまた何かを語りだすだろう。今はまだ年越しの
彫刻/てん刻ライブの熱気のなかでその姿を表わしてはいない。すでに出来上が
っていた掌の彫刻、右手と左手の二体の底に酒井さんが判を彫っている。「往」と
「還」の字。両手を合わせると「往還」。野上さんは酒井さんの提供した石の素材を
彫刻している、螺旋形のせり上がる曲線。一方で訪れた人たちが次々とテンポラリ
ースペースの文字を鑿で彫りこんでいる。松田さんが下書きしてくれた鉛筆の跡に
沿って鑿とハンマーで彫り込む。最後に酒井さんの作った落款が朱肉で捺印され
る予定だ。黙々とふたりが彫っている。黙々と人が来て彫っている。鑿と木槌の音
が響く。夕刻差し入れが届く。おせち料理だ。お寿司だ。岩澤さんが手打ちのお蕎
麦を持って来てくれた。一気に大晦日の雰囲気になる。ほぼ看板の字は刻印を終
える。野上さんが最後の仕上げに入る。そして年越しのカウントダウンが始った。
場が緊張し和らぐ。唄がでる。熊谷透さんが踊りだす。酒井さんの歌声が熱を帯び
だす。元旦未明深々と熱い年越しが終わった。時と木と石を打刻しハンマーが振ら
れ木槌が降られやがて声が響き唄となり今年と来年の時間が繋がり夜はひとつに
繋がったのだ。
正月2日ー午後から野上さん、酒井さん来る。3人で若水を取水に藻岩に向かう。
帰って若水で珈琲。さらに野上さんの母上から頂いた三年物の梅酒で乾杯。キー
シンのショパンピアノコンチェルト一番を聞く。その後井上陽水。ふたりが乗ってくる
。看板の落款「こん」に決まる。CONーTEMPORARYのコンだ。根、痕、昂、槐、
今、坤、混、魂・・・。こんこんと雪が降る深い積み重ね。undermine。今年の仕事
始る。

*野上裕之展「NU」-14日(日)まで。月曜定休。AM11時ーPM7時
 於テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1‐8

by kakiten | 2007-01-02 11:51 | Comments(0)


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