息を吸い息を吐き身体は函となって溢れ、足を前に進める。左,右、止まり、。時
に頭上げ、頭下げ、振り返りまた前へ。このブログを書き出してもう一年が過ぎた
。疾風怒涛のような時にも思えるし、きらきらと輝き、急速に廃星の光芒の冥のよ
うにも思える。ただ変らないのは歩いていた事。靴は3足磨り減った。靴下はみん
な穴だらけ。山用の靴下を今は履いている。息を止め,息を呑みひとり立ち尽く
す時もある。それも歩行なのだ。きっと疲れも正常な身体の内にある。溜め過ぎ
ては駄目だよ、と自分で自分に声をかける。吸って吐く、心も体も函となって溢れ
なければ。最近キースジャレットの「ケルンコンサート」が心地よい。日に何度も
聞いている。雪が降って溶けて、空気は冷たく。時に死者のように暖かく冷酷だ。
そんな時キースジャレットのピアノがいい。きっと音を咀嚼しているのだ。音を食
べている。心が生きる為に。これも歩き。こころ歩き。心の靴、心の靴下擦り切れ
ないようにね、、、。酒井博史さん、岡和田直人さん、野上裕之さんそして玄米の
Aさんもね。咀嚼し、きりっと歩きつづけましょうぼくら。ドイツのSさんから再び便り
来る。<何か、ハンブルグからさっぽろまで水脈のようなものを感じました。>
ひとつの旗が鳴っている。風にぶつかって旗竿も鳴っている。maw-まゥー呼気
ー風ーハマナスの実。さっぽろで僕らも呼気の実を鳴らせ生らせましょう。Sさん
。今深い疲労も深い身体の内にある。吸気の花はシラネアオイと中川さんがいつ
か言っていた。そう、谷間の深い川の傍、吸気の花の咲く夏の始め”春の匂い”透
明な薄紫の花に来年は逢いたいね。
*maw(まゥ)はアイヌ語。知里真志保地名アイヌ語小辞典による。