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テンポラリー通信

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2006年 11月 25日

風景を奪取するー冬のいのり(29)

昨日とは一転して快晴。ただ路面の凍結が円山とは違う。やはり同じさっぽろでも
北区は氷結した路面が多い。でも光は燦々。昨日夜設置した藤谷康晴さんのフロ
ッタージュした路面の作品が降り注ぐ午前の光に美しい。路上を鉛筆で擦りだした
模様が壁一面をぐるりと囲んでいる。その表面をさらに今日1日ドローウイングして
仕上げていくのだ。都市の路上の何の変哲も無い亀裂、マンホール、排水口等が
壁に拡がっている。掏り取られた都市の路面に作家の手がその表面の皮膜に新た
な皮膜を創り出していく。日常の再構築。その行為の延長には非等身大な都市の
価値観との闘い、対峙そして再生の基軸がある。現実が土木工事をするように変
る訳ではない。ただ自分の手でもう一度触れて革(あらた)める。だからどうだと言
うものでもない。そうしたいからするのだ。虚構だがそこに等身大の個が凡てを集
中する。篭める。そして何かを奪取する。身の丈から別の軸へ移動していった時間
や空間を。その行為が今日1日ライブで続く。
朝から人が絶えない。Mさんご夫妻に始まり午後には村岸さんのお母さんも来た。
ちようどその後来た先日の深川の西河直道さんがなんと村岸さんのお葬式にも参
列していた事が分かり吃驚する。「木は水を運んでいる」という個展のDMをそのま
ま使った図書カードをお礼に頂きましたと挨拶されお母さんは恐縮していた。ここに
来て初めて顔と名前が一致すると。藤谷さんは食事も摂らずひたすら描き続けて
いる。壁の下地の路面を擦り出した布がタットウー(刺青)のようになっている。

by kakiten | 2006-11-25 12:03 | Comments(0)


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