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テンポラリー通信

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2006年 09月 24日

澄んだ反応鈍い反応ー秋のはなし(15)

一昨日の道新夕刊記事「’80年代の輝き熱く」の反応がK・Kさんから来た。1、テ
ンポラリーの個展から始るべき処が表示のない点。2、はたしてこの方々が佐佐木
さんと志同じかと想われる人に取材している点。3、北海道立近代美術館提供の
写真。4、佐佐木さんの作品写真が掲載されていない事。5、美術状況を語る視点
の欠如。以上の事から焦点ボケが気になります。という意見だった。それでもこうし
て大きく取り上げられた事自体に意味があって何かが生まれてくるのかも知れな
いという結論だった。’80年代の軸心佐佐木方斎展を企画して最も同時代的に反
応し感動してくれたのはK・Kさんだったのでこのお便りは正直嬉しかった。当時の
佐佐木方斎をきちっと現代作家展の展評でも書いていた人で今回も自宅まで御見
舞いを兼ねて訪ねた人である。その上で佐佐木さんの仕事を改めて見直し評価し
たのだ。だから今回の新聞には深い期待と関心があっての批評であったと思う。
私は記者の方の熱意とある使命感には少しの異論も持たないのだが書かれたも
のはそれとして批判があっても当然と思う。もう二十年も前にこんな事があったのよ
という視点だけでなく今、現在の視点が<熱く>なければなんにもならない。方斎さ
んの今も生きてこない。彼が美術家として例え病床にあろうと新作を再び創りさらに
次なる作品に情熱を燃やしている今が見えない事にはなんにもならない。その時過
去は過去ではなく現在只今を照射するように在るのだ。私が方斎さんを軸心と捉え
て展覧会をしたのは彼の’80年代に現在に続く今があると思うからだ。その今を方
斎さん自身にも自覚して頂きたかったしそれが彼の現在に対する個人的なエール
、インスパイヤーにもなっていい仕事を続けて欲しいと思った。<外に向かっていつ
も開いていたい>と記した佐佐木方斎の軌跡は今も閉じられてはいない。会期中
三度も「美術ノート」を読みに来た’80年代生れの人たち、そして同時代を過ごした
K・Kさんのような人の存在がその事を証して余りあるのである。
その’80年代に初めて札幌を訪れ、佐佐木さんたちの現代作家展に出品した九州
の阿部守さんの個展が今開かれているが、やはりその時代の同志だったはずの
人達が誰も関心を示さず遠く九州から来札した作家に比してこんなに距離の近い
はずの札幌が遠いのは何故だろうと思う。もうこの世にいないそれこそ無限の彼方
のM君の存在や年齢も親子ほど違う人たち、初めて今回作品を見そこで踊った人
初めて会った近隣の人たちの方がきっちりと個展を見て発言していく。自分の生活
の視点から参加して見ている。それに比して現役という時間軸がズレている人たち
が”現代”美術を語り世間を跋扈している。このマイルド現代とかスーパーライト現
代とでも名付けて毒気を薄めたようなピース呆けの連中は薬効ばかりが気になっ
て本当のところ毒にも薬にもならないのだ。そして口を開けば言う事はひとつ。宣伝
が足りない、宣伝が下手だである。鈍磨した自らの感性を棚に上げて何を告かであ
る。あっ!ちょつと血圧が上がり気味だ。気をつけようっと。

*阿部守展ー30日(土)まで。am11時-pm7時(月曜休廊)
*酒井博史ライブーMの記憶10月4日(水)pm7時~1000円
*及川恒平ライブー秋のはなし10月8日(日)pm4時~3000円

by kakiten | 2006-09-24 12:42 | Comments(0)


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