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テンポラリー通信

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2006年 09月 21日

水の舞姫ー阿部守展(6)

ハンマーダルシマーというピアノの原点のような楽器を小松崎健さんが弾く。タブ
ラーという打楽器を中川ヒデアキさんが叩く。演奏場所は2階の吹き抜けでお客
さんも一部2階に座っている。下は阿部守さんの作品がそのままあり北側の壁を
中心に作品の置かれた場が舞踏の若松由紀枝さんの踊る舞台になっている。観
客は南側の窓部分と西の入り口側に座り1階と2階に人が鳥の巣のように居た。
若松さんの踊りが始まると一瞬にして会場の空気が引き締まった。滴り落ちる水
滴を受け止めるように両手をひろげ、祈りの儀式、御祓いをするように踊りが始る。
この行為がもう作品と踊り手の一体化を暗示していた。それから約四十分黒く漆
で塗られた凹み状の円盤の水にオフエーリアのように顔を浸すまで若松さんの
舞踏は作品と会場と溶け込み一体化して終わった。上から演奏の音が降るように
空間を満たし水の滴る音と水煙が時々じゅっと音を立てる。その中を優雅に時に
激しく水の舞姫は天女のように舞った。沖縄の錆びた緑藍色の水痕。オックスフ
ォードの錆びた黄褐色の水痕。さっぽろの間断なく滴り、満ちている水。そのよう
に構成された作品空間に舞姫が空中を天から降る音とともに水のように舞ったの
だ。三つの場所の水が会場で一つに融合し生きた美しい肉体を保って幻のように
存在していた。そんな時間だったと思う。阿部さんに見てもらいたかったなあ。札
幌で作品展のある洞爺の高臣大介さんとスタッフの二人も参加して1階に2階に
慌しく動き、撮影していた。音楽と舞踏と作品がまたさらに空間を深めた夜だった。
若松さん、デンさん、ケンさんありがとう!終わった後の3人の汗の浮んだ笑顔が
眩しかったなあ。

by kakiten | 2006-09-21 11:52 | Comments(0)


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