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テンポラリー通信

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2021年 09月 25日

青いキャンパスーメタフイジカル放浪(8)

昭和後半アメリカ式近代化の原点を象徴す
るように、美空ひばりが唄う「東京キッド」
の終わりの歌詞がある。

 ・・・・
 空を見たけりゃ ビルの屋根
 もぐりたくなりゃ マンホール

現在の都市風景をこの歌詞はまるで予言して
いるかのように思える。
今はもう見上げる<空>も、屋根のないタワー
ビル群に取って代わり、もぐりたくなる<マンホール>
も地下街・地下鉄・高速自動車トンネル、新幹線
リニアモーターの疾走するトンネルとも思える。
そして何よりも現代人は<空を見上げる>行為すら
喪失しつつある。
戦争中の防空壕、戦後のマンホール。
戦争中のB29の空爆、戦後のビルの屋根。
この都市構造は、屋根などもうないタワービル群、
迷路のように張り巡らされた地下交通網の現在
となっても基本構造は変わらない。
ただ決定的に違うのは、垂直に天地を感じる
縦軸の目線だ。
広々とした空は、光に溢れ雲が描く青いキャン
バス。
深々とした地は、水が溢れ植物が溢れる土の
キャンバス。

夜空に輝く中秋の満月を見上げながら、身で感じ
る遠い星、近い星を見る等身大の人間を想い出し
ていた。
火星や月にロケットを飛ばし遊覧・観光・移住
を考えるビジネスがあるという。
星をそんな風に考える事自体が、身の程知らず
だと思う。
星空という夜の空も、宇宙という星のキャンパス。
月の砂漠・火星の砂漠などは、行かなくともいい。
その前に地球自体が砂漠化するかも知れない現在が
進行している・・。

 月の砂漠をはるばると
 旅の駱駝が ゆきました

 金と銀との鞍置いて
 ふたつならんでゆきました

 金の鞍には銀の甕(かめ)
 銀の鞍には金の甕(かめ)
 
 ふたつの甕はそれぞれに
 紐で結んでありました

 さきの鞍には王子様 
 後の鞍にはお姫様
 
 ・・・。
こういう<月の砂漠>で良いじゃないか・・・。
観光旅行や移住などしなくて良いのだ。
ボデイの数を金銭に置き換え、<身>と
いう身体の宇宙を忘れては、天に唾する
自滅行為となるだろう・・。

 テンポラリースペース 札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011ー737-5503

 



 




by kakiten | 2021-09-25 17:48 | Comments(0)


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