人気ブログランキング | 話題のタグを見る

テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2006年 08月 30日

曇り日ー夏のひかり(10)

雨模様の日。空気中に水分が増している。風が通り湿度は高くない。水が清む
季節が近い。夏の疲れが少し潤う。しかし疲れも溜まっている。山を歩きたい。
呼気吸気を新鮮に往復したい。人の往来が少し絶えてきた。ぽつりと忍路に菓子
工房を設けたjazzピアニストの田村誠次さんが立ち寄る。小樽に近く古くから開け
た港、忍路。オーラのある場所と言う。今年2月初めて訪れ感動し決断したと言う。
そうか、冬だったんだ。本ものかも知れないと思った。夏に昔キヤンプした事があ
った。グスベリを食べ過ぎて腹を壊した。ウニを潜って取った。深い色の海そして
秘境のような入り江。豊かな海産物。私には夏の思い出しかない。だから冬に
菓子工房を作ると決断したのはなにか凄いと思った。一度Mさんと来て下さいと
言ってフライヤーを置いて帰っていった。菓子工房の隣の建物も将来ライブスペ
ースにすると言っていた。忍路をテーマの曲をそこで是非聞きたいものだ。佐佐
木方斎展も村岸宏昭さんも関係のない人が来て、近況をどこかうわの空で聞い
ていた。でもそれはこっちの都合勝手で田村さんには大切な大事な話だった。時
間経って今頃感心しているのだ。こうして少しずつ熱い夏が薄らいでいく。ペンキ
の道具を借りにKさんが寄る。傘立ての修理だと言う。お礼にプラムを貰った。よ
く熟れて新鮮な果実の酸味甘味が胃に沁みた。夢中でかぶりついた性でズボン
が汚れた。汁が溢れたのだ。また染みができる。秋の予兆のように果実の水分
が口を満たし、心に触れた。秋は澄んだ水の季節かも知れない。このブログの
タイトルももう「秋のはなし」と変えようか、横浜の及川恒平さん、さっぽろは秋の
高気圧。そちらはまだまだ夏の高気圧でしょうけれど。

*’80年代の軸心 佐佐木方斎展近作「格子群」を中心にしてー9月10日(日)ま
 で am11時-pm7時(月曜休廊)

by kakiten | 2006-08-30 13:11 | Comments(0)


<< 雲流れるー秋のはなし(1)      蒼空を疾走るー夏のひかり(9) >>