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テンポラリー通信

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2020年 04月 14日

タッチ・触れるー荒地(20)

新型コロナウイルスの曼延は、人が物や人に触れる危険の
喚起を促す機会を増やし続けている。
しかし正確には、タッチの危険性の喚起だ。
私たちの生活インフラの多くは、タッチが作動の開始
となる。
スマホ、リモコン、各種カード、エレヴェーターのボタン、
エスカレーターの手摺りと、街を移動する間どれほど多くの人
が多くのタッチを重ねているか・・・。
今その利便性が逆に新型コロナ消毒の大きな警告対象だ。
本来の日本語<触れる>とは、正反対のものとなって<タッ
チ>がある。
人が介在しない、指示し作動させる行為としてのタッチだ。
本来<触れる>事とは、人と人を繋ぎ、人と物を繋ぐ、世界
が開かれる行為の筈だ。
その回路を遮断し、利便性の開始行為に貶めてきた現在が
痛切に新型コロナウイルスによって問われている。
一昔前まで、街の雑貨屋、酒・米屋、煙草屋、靴屋、駄菓子屋
金物屋、家具屋等が町のインフラを支え、人と人が向き合い手
渡しで会話が交じらわされた時代があった。
その関係性に消毒性アルコールなどはなかった。
人間同士の会話があり、オーバーに言えば友情すら存した。
今はそれらがすべてタッチ・パネルが代行する。
購入・支払が一元化され、物流の効率回路が優先され会話
も友情も消えている。
その回路に新型コロナが曼延し押し寄せてくる。
利便性と効率性重視が招いた<触れるータツチ>の変質した
現在なのだ

何時か大手コンビニ店に変わったお店のオバちゃん。
何時の間にか客との会話は消え、手と顔は何時もレジに向いて
打ち込み・入金・カード確認に集中している。
客は順番待ちで会話はない。
オーナーとか呼ばれ、毎日の売り下げ維持ノルマに追われて
いるのだろう・・・。
あの人懐っこい笑顔は何処に行ったのかなあ・・・。

*追悼ー八木保次・伸子展ー4月下旬~5月初旬
*鼓代弥生展ー5月中旬以降予定。

 テンポラリ―スペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503




by kakiten | 2020-04-14 14:31 | Comments(0)


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