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テンポラリー通信

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2020年 04月 09日

自然が詰め寄るー荒地(19)

連日新型コロナウイルスから始まるあらゆる分野のニュースに
曝されている。
微小な自然界のウイルスが、大地震・大津波のように
人間社会に押し寄せている。
異常気象・台風は序奏のように、現代社会のグローバルという
物流回路を通じて内側からミクロの自然生物が繁殖しているのだ。
南アジアでは、イナゴの大群が作物を食い荒らしているらしい。
内から外から地球自然野生が詰め寄ってきたのか・・。
自然との共生空間を摩滅してきた近・現代のひとつの回答という
気がしてならない。
 
 今私たちが生きている時代は、近代化を経た後のグローバリズムの中で
 自然を支配する社会です。実際そのことにより、様々な社会問題も起こ
 ります。例えば原発は資本主義において利潤を第一に考えています。
 コロナウイルスは社会主義の不都合な真実により、広がってしまいました。
 そこで、本来東アジアにある「自然と共生する」という思想を、次の時代
 に再び受け継いでいくことは非常に大事だと思います。

マカオの写真家S君から、こんな書き出しの文章が送られてきた。
<東アジア共通の自然観、宗教観、精神性を高め、先人の作品形態に
とどまらない時代を拓く新しい表現>を、と呼びかけた宣言文だった。
先週終えた秋元さなえさんの故里の風土を編んだ造形作品。
短歌・山田航さんの百数十回続く街角探訪の短歌作品とエッセイ。
高臣大介さんの氷柱とガラスの交叉・千本の「野傍の泉池」の挑戦。
斎藤周さんの父の記憶・木造二階建ての生家の絵画。
その他にも色んな作家たちが、それぞれの分野で自らの足元の<里>
を創り続けているのを私は感じている。
こうした個々の表現営為が、私には上記宣言文とどこかで呼応し
木魂(こだま)していた。
小さな源流の一滴が流れ、合流し、大河となって大海へ、世界へ
と脈打つ夢のように。
私はその土となり、土壌となる小さな場を続けていく。

*追悼・八木保次・伸子展ー4月下旬~5月初旬。
*鼓代弥生展ー5月中旬予定

 テンポラリ―スペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503


by kakiten | 2020-04-09 18:12 | Comments(0)


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