佐佐木方斎展も始ったばかりなので7時の閉店時間まで留守にもできない、とい
う事もあり、あまり祭壇に飾られた村岸さんを見たくも無い気持ちもあった。さらに
誰という事無く葬儀場に行く前にここを訪ねてくるのだった。それで藤谷さんの白樺
の柱を見せると佐佐木さんの作品が十字架のように背景にあってふっとこの場が
追悼の空間のようになるのであった。よし、今日はここにいようと決めた。江別から
阿部ナナさんが来た。眼が赤く少しはれていた。いろんな話をしてそのうち二階の
吹き抜けのベンチに上った。そうその前にレトロスペースの坂敬さんがスタッフの
中本さんと見えた。ここは初めてで一度来なければと思っていたという。久し振り
で話がいろいろ飛んだ。午後6時半も過ぎた頃ナナさんはやはり葬儀場に行くと
言って出た後藤谷さんの白樺を会場に置き電気をおとして二階の事務所でブログ
を書いていた。7時も少し過ぎた頃写真家の小牧さんがひとり喪服で入って来た。
ちようど彼の写真の事をブログに打ち込んでいた時なのでちよっと吃驚だった。昨
夜のロシアに銃撃された漁船の船長は親戚だといって村岸さんと併せてなにか考
えられない事が続きショックだと言う。そうしている内に酒井博史さんがこれも喪服
で疲れた顔してきた。ふたりとも寡黙で私はブログの残りを仕上げる為中座した。
急いで文を仕上げていると河田雅文さんが来た。小牧さんがじゃあと言って帰っ
た後高知から車で駆けつけた野上裕之さん、藤田敏正さん、岡和田さんほか四
人が来た。そのうち川原亮さん、久野志乃さん、阿部さんも来て黒ずくめの集団
がもっそりと会場を埋めた。ビールを飲んでなんやかんやと村岸さんの話で時間
が流れた。村岸さんの話だけではなく色んな話だった。とりとめの無い話。でも
その話の中心にはいつも奴がいた、底に、傍にいた。雨の日酒井さん村岸さんと
3人で発寒川を歩いて茨戸に出て江別のカピバラカフエに行った時そこの村上
未央さんが中学生の男子三人が来たみたいだったとちょうど休みだった阿部ナナ
さんに後で話して笑っていたという。そこでギターを触って村岸さんが演奏してい
た。未央さんが貰ったばかりのギターだと言っていたっけ。ミユージシアンが二人
いて傍目には尊敬の眼差しに見えたのに中学生の男子(!)それはないでしょ。
特に私は・・・ね。十二時半も過ぎお疲れの高知から着いた四人を見送りここの場
所でのもうひとつのお通夜が終わった。
今日は昼頃高知から葬儀に駆けつけた映像作家の大木裕之さんが来る。その後
石田尚志さんの友人小山内裕二さんが来る。東京へ移住して以来半年振りだろう
か。話がここは初めてなので空間の事、村岸さんの事、石田さんの事と話込む。
そうしていると一人の喪服の女性が来て村岸さんがここでペンキを塗ったのですか
と問い掛けた。昨日今日と葬儀に出て寄ったと言う。話すと東京から来てここの事
は聞いていたので寄りたかったいう。二階にも案内し吹き抜けのベンチに座っても
らった。村岸さん演奏の場所ですと伝えるとしばし肩を震わせ涙ぐんでいた。北大
の先輩だと聞いた。しっかりした聡明な美しい人だった。夕方森美千代さんが小山
内さんに会いにスイカを持って来てくれる。野上裕之さんも小山内さんに会いに来
ると言う。まだしばらく村岸デイーは続くだろうなあ。