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テンポラリー通信

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2006年 08月 14日

村岸宏昭さんの死―界を生きる(45)

1日遅れたがお墓参りに平岸霊園に行く。13日がいつも行く日だったが何故か
今年は14日になった。定休日が今日という性もある。霊園は人も少なく路辺の
花屋も少なかった。お参りをして徒歩で豊平川を目指した。途中精進川の岸辺
に下り豊平川との合流地点に出た。そこから南大橋を渡り酒井博史さんの店
日章堂印房に寄ったがお盆で休みだった。携帯に電話しようかなと思ったが、
やめて北一条の熊谷宅へ向かう。琴似街道に出た所で版画家の福岡幸一さん
の車と出会う。半年振りだった。車に乗せて貰い近況を話している内熊谷宅に
着く。家には熊谷さんが居て酒井さんから電話あったと言う。「村岸さんが高知
で死んだ」と言う。熊谷さんもTVで朝ニユースで見たと言う。酒井さんにすぐ電
話すると今テンポラリーにいてすぐこっちへ向かうと言う。仰天だった。それから
着いての話。昨晩は寝付かれず車で遠出をし明け方ドライブインでコーヒーを
飲みながらTVで村岸さんのニユースを見た。とりあえずあちこち電話し午前十
時頃テンポラリーに来ると岡田綾子さんがすでに来ていて大家さんのテーラー
岩澤さんに鍵を開けてもらい休んでいた。今朝早く新潟行きの電車に乗ったが
メールで村岸さんの事を知り急遽札幌に引き返し駅から真っ直ぐテンポラリー
に向かいその前で蹲っていたのをテーラーさんが気づき中へ入れてくれた。そ
の後自分も来た、というような経過だった。直ちにテンポラリースペースへ向かう
事にする。着くと岩澤ご夫妻と岡田さんがいた。途中車の中で私が今日歩いた
道は酒井さんが村岸さん、野上さんと歩く約束をしていた道だという。それは実
現できなかったが今度歩く約束をしていたのだと言う。私はきっと今日彼と一緒
に歩いていたのかも知れない。最初尾道へ向かいそこで次の大学院へ進むレ
ポートを書くと言っていたが、それが高知になったと聞いた時何か嫌な予感がし
たのだ。彼が発つ前日初めて北大の学生食堂で一緒に昼飯を食べた。安くて
美味いでしょうと笑っていた。それが最後となった。
村岸宏昭さんの死―界を生きる(45)_f0006966_19403213.jpg

ここに載せた写真は五月テンポラリースペースの仮オープン時の写真である。
二階吹き抜けのベンチに座りギターを弾く姿は七月個展時にもあった。名演奏
だった。個展時の白樺を抱いている写真は生々しく避けた。文章も今すぐ纏まら
ない。充分に才能を発揮し最高の展覧会だったとあらためて思う。毎日ブログを
書き楽しかったぜ!村岸さん!高知の鏡川で最後とは・・。名前の通りの綺麗な
川の中とはあんたらしいなあ。でも早すぎて淋しすぎるぜ・・・。心より合掌します。

by kakiten | 2006-08-14 15:33 | Comments(4)
Commented by のえ at 2006-08-14 18:41 x
 村岸さん。あまりに急流な――
 村岸宏昭展。 壁のところに、たしか「ぼくは水の中で考え…」という一節があったように記憶しています。
 川の水の中で考え、思索し、音をうみだし…
 22歳の〈詩人〉は、22歳のまま、永遠に水の中で思索しつづけるのでしょうか

 「ぼくの人生の要所、要所に、なぜか中森さんのことばがあるんですよ」そう語った時の村岸さんの瞳。
 再生テンポラリースペースは、あの村岸さんの白樺と“川”によって、まさに再生したように感じていました。 ほんとうにうれしかった。
 なにより、そのような開花を3年間ずっと信じていた酒井博史さんの、うれしそうなブログ。

 思うこと多く、長々とすみません… 盆踊りがきこえてきました
Commented by kakiten at 2006-08-15 11:15 x
のえさん>不意の死といのは反射的にいろいろな想い出をかきたてます
。今はそれらが交錯して纏まりません。porteという言葉に注目してくれ
たのえさんの事を感心し喜んでいた村岸さんを想い出します。
Commented by ふるたて at 2006-08-15 15:28 x
驚きました。
展覧会の最終日、村岸さんに音の1/F揺らぎについて丁寧に教えてもらったことは、新たな発見で嬉しかったものです。

彼の今後のやりたいことをも話して聞かせてくれて、その有能さに驚きました。

ただただ驚きました。御冥福お祈り申し上げます。
Commented by kakiten at 2006-08-15 18:03 x
古館さん>そうでしたね、最終日逢って話し込んでいましたね。音楽家同士のお話しだったんでしょう。とにかく一度でも逢えないよりは逢ってよかったと思います。有本ご夫妻ともすっかり気が合っていました。古館さん
の新たな発見いつか聞かせて下さいね。


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