人気ブログランキング |

テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2006年 08月 13日

佐佐木方斎展ー界を生きる(44)

藤谷康晴さんが来てくれ佐佐木方斎の2006年「格子群」十点の展示をする。
本当は一列に通して展示したかったが会場の壁の都合で北面と東面に分れる。
しかし結果的にはその分断が息を生んでかえって今の方斎さんを感じさせ良か
ったように思える。数学出身の人だけに無駄がなく純粋空間を創っていて息をつ
く所が無い。縦1本の線に横3本の線が交差する。それだけのぎりぎりの緊張感
が画面を構成している。十枚の同じ構図が線の色の違いだけで連作となってい
る。十字架に横線が2本加わり連続して壁面を繋げていく。その交差する純粋緊
張の画面は数学の定理のように夾雑物を排除している。南面のガラス窓の方に
は’80年代の作品と「美術ノート」全巻北海道現代作家展カタログ1990年「アー
トドキユメント」カタログ及び記念誌等を机に置いた。これは自由に見れるように
した。「格子群」の清冽な緊張感とこの資料群の溢れるような時代の彩りは対照
的でありながら佐佐木方斎という人間の生きてきたある時代の猥雑なまでの貪
欲さがそのまま読み取る事ができるのだ。作品の展示には藤谷さんのような繊
細な神経が必要だった。きっちりと狂い無く展示したかった。前回の彼の展示を
見ていてそう思ったのだ。展示中も展示後もずーっと無言だった。藤谷さんも何
かをずーつと感じつづけていたに違いない。彼が生まれた頃の作家の資料であ
り作品でありそして現在の作品なのだ。これは古いとか新しいとかいう比較や相
対的な次元でなく今を構成する構造素に立ち会う事なのだ。「格子群」は佐佐木
方斎の<精神のラインダンス>の純粋骨格であり、「資料群」は交錯した彼の時
代の肉体なのかもしれない。キの字のように交差する十点の色彩の純粋表象は
時代のラインダンスの象徴のように、今見えてくる。

*’80年代の軸心佐佐木方斎展ー新作「格子群」を中心に
 8月15日(火)-27日(日)am11時ーpm7時(月曜休廊)

by kakiten | 2006-08-13 16:07 | Comments(0)


<< 村岸宏昭さんの死―界を生きる(45)      ’80年代の暗渠ー界を生きる(43) >>