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テンポラリー通信

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2019年 05月 25日

峠ー小さなランド(Ⅷ)

夕張「北上坑」の看板は今日も白い花の中に浮かんでる。
まだ整理されていない周囲の花や草や道具類の山・・・。
見ていてふっと思い出した風景がある。
夕張の札幌側へ通じる3本の道。
その一番古い道は二股峠を越える徒歩の道。
夕張側には鹿の谷倶楽部という迎賓館があり、札幌側には
川の源流になる泉池があったという。
しかし今はゴミ処理場の塵芥の山。
三本の内二本目の道は、夕張鉄道の通った線路の道。
急斜面を上る為、機関車のスイッチバックで有名だった。
今は蒸気機関車が無くなり、線路跡はサイクリングロードに
なっていた。
三本目は現在の自動車の走るトンネル道。
この三本の道は近代から現代と三様相の変化を顕わしている
ようだ。
夕張の名の原義アイヌ語のイ・パル=ī・parーその入口
の説を取れば、正に三本の入口の道だ。
その中でも私が惹かれたのは、二股峠の塵芥道、そして真谷地
の炭鉱口山奥に見捨てられたように建っていた、大きな廃屋の
壁だけの光景だ。
二股峠の塵芥処理場のゴミの山。
それは現在の生活ゴミの山でもあり、見捨てられたかのような
飼い猫の姿もあった。
かって綺麗な水が湧き泉池ともなっていた処。
それに対して、かって大きな建築物であり、大きな風呂場もあ
る廃墟は、頑丈な壁だけが遺り、タルコフスキーの映像世界の
ようだ。
このふたつの近代と現代の廃墟の姿に、近代と現代の境目の姿
も仄見えてくる。

ふたつの廃墟の記憶が甦って、白い花に埋もれ遠い東北の北上川
を偲んでいるような、「北上坑」坑口看板板。
3・11を経た近代と現代を、その河口と坑口を繋ぐように
沈んでいる。
そこは、小さな時代のランド(郷土)となってこの場に息づいている。

*「北上川・女坑夫・坑口」展ー5月28日ー6月9日
 am12時ーpm7時:月曜定休・水、金は午後3時閉廊。

 テンポラリ―スペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503





by kakiten | 2019-05-25 15:52 | Comments(0)


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