八木保次・伸子展初日。
展示上必要なもの等所用もあり、少し遅れて着く。
取材の留守録音が入っていた。
あとは何かの勧誘コメント。
午後、沖縄の豊平ヨシオさんより電話。
作品無事着いたと、感謝の電話だ。
完璧な梱包、と嬉しそうだ。
北の冬の光彩と春の光彩が息づく八木保次・伸子展
初日に豊平さんの声が聴けるとは・・・。
暫し、帰沖後の身内の慰労会の模様、沖縄タイムス
の弟さんが道新のお偉いさんに新聞評のお礼の電話
した話とかを聞いた。
昨年今頃沖縄に私が来た事が、つい最近のように感
じて、まだ展示の余波が続いているという。
二十余年振りに初めてアトリエの外に出た作品たち。
その作品たちと同様、作家も見てくれた人購入して
くれた人たちと触れ、初々しく新鮮な北の光彩を今も
想い出している気がした。
そういえば、奥さまのお名前も、彩さんだったなあ。
ウルサイ、などと悪口を叩いていたけれど・・。
黒い窓辺に白い雪景色が覗いている。
そして窓の手前に黄色い室内の花。
その大きな絵画の左横に、同じ八木伸子さんの深い
黄が背後に沈む赤い花の油彩画を配した。
小さな黄と大きく広がる背後の黄。
二つの黄が呼応して北の春を木魂している。
黒の奔放な縦長の抽象画。
その右横に同じ八木保次さんの浅緑の油彩抽象を
配した。
これも暗い冬の色彩に春一番のフキノトウの緑を
意識し、冬から春の色彩を意図した。
私が感じている北の冬から春の色彩。
福寿草の黄とフキノトウの浅緑。
札幌生まれ、晩年の八木伸子と八木保次の軌跡。
色は光だ、彩(いろ)だ、と保次さんは言っていた。
伸子さんはそんな言い方はしなかったけど、今遺された
絵画を見ていると、白の冬と黄色の春を感じる。
白に澄んだ高貴と忍耐、とを。
黄に澄んだ幸せと喜び、とを。
保次さんの黒に猛吹雪の天地、凍れる水・光の奔放性
を感じる。
そして春の光の乱舞が、色彩として天地に燃え上がる。
ふたりは生前、抽象・具象作家と区分けされていたが、
この北の光彩に対峙する姿勢は、真摯にして同じだ。
ふたり揃って今幸せそうに8回目の春を迎えている。
やっちゃん、伸子さん、
南の春の声も届いていましたよ・・・。
*八木保次・伸子展ー4月16日〈火)ー5月5日(日)
am12時ーPМ7時;月曜定休・水・金曜日午後3時閉廊。
テンポラリ―スペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503