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2019年 03月 16日

雪が降るー時代というランド(33)

豊平ヨシオ展終了前日の土曜日雪が降り、うっすら積もる。
沖縄のアトリエで20年近く外に出た事の無かった作品たち。
今回展示のイメージに最初にあったのは、この雪の光の中で
見る事だった。
地上に降り積もった雪明りの反射で、浮き上がるように
南の青たちが中央の亀裂と共に在る事。
その想いが叶っている。
そして一昨日の14日木曜日北海道新聞夕刊に、自ら志願
して申し込んだ久米淳之さんの豊平ヨシオ展評が載った。
北海道立近代美術館学芸員、道立函館美術館学芸員を経て
現在道教委文化財・博物館課に居られる方である。
先週豊平さんがまだ在留時見えて、作品に深く感銘し新聞に
書く、と言って興奮していた。
私が挙げた旧知の道新の方を知っていたのか、即その記事は
実現したのだ。
率直にかつ素直に久米さんの作品の前での興奮が伝わってく
る文章である。
以下に引用してみる。

 青の亀裂に切なさ、哀しみ

沖縄の現代美術家、豊平ヨシオの作品展が開かれている。
青、蒼、碧、様々な青の長方形板が、等間隔に壁面に並ぶ、
静謐な空間。青の美しさにまず惹かれ、歩を進めて一点に
対峙すると、画面に引き裂かれたような亀裂を見つける。
再び全体を見渡す時には、自身がいいようのない切なさに
包まれていることを感じる。
縦100センチ、横50センチの板が、割られて亀裂のある
状態で青く塗られ、会場の壁面を取り囲むように21点が並ぶ。
黒い背版から浮き上がり、亀裂の奥に暗く深い空間が創り出さ
れている。触れると刺さるような、捲れ上がった亀裂の向こう
側に、哀しみや痛みが閉じ込められているような気配すら
感じられる。
豊平の拠点とする沖縄という地名からは、その歴史性や政治性
、現在の社会状況を想い起こさずにいられない。
しかし、青の亀裂は、問題の具体性を超えて、切なさや哀しみ
という、ひろく私たちの心に通じる感情を、力強く湛えている。
青の色と亀裂のみの、単純な仕掛けが、多くの感情や物語を、
直裁に人に想起させるのだと思う。豊平の青に、沖縄の海や空を
感じる事は否めない。あまりにもきれいな、澄んだ青だからだ。
しかしその裂け目の奥から聞こえてくるのは、北や南、個別の
社会ではなく、生きていく人間の行為についての問いかけなのだ、
と思う。

今回初めて出会った久米さんが、書いてくれました。
初めて今日、作品たちは雪の白い光を浴びています。

豊平さん、そしてまだアトリエに残された作品たちに、
ご報告です。

*豊平ヨシオ展ー3月17日まで。・・・来週後半までまだ見れます。
 am12時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503




by kakiten | 2019-03-16 12:59 | Comments(0)


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