3月2日沖縄より豊平ヨシオ・彩さん夫妻来廊。
二日間かけて、展示作業に入る。
見事な連係作業である。
先に届いていた十箱の作品を開梱し、作品枠を取り付け
出発直前に補修した油彩部分を点検する。
20余年近くアトリエの壁に置かれたままだったから、
ヤモリの糞やゴミ等で作品裏の汚れも多かったと言う。
今回のテンポラリーでの展示数は20点余。
昨年沖縄で見たアトリエでの百余点一体の圧倒感に比し、
より個々の作品が身近に迫ってくる。
一点一点の青の地色と縦に刻まれた亀裂の存在感、訴求力
が増し個々が深くなる。
沖縄の丘の上のアトリエ。
天窓の光。
札幌、冬の終わり、冷気を秘めた春の光。
その空気の違いもあるのだろうが、作品は一点ずつ嫁入りでも
したかのように新鮮だ。
豊平さんの心の深い傷。
その亀裂の痕が、北の空気の中で少しだけ癒されているのだろうか。
そんな気がしていた。
暖かい春の陽射し注ぐ初日。
刻々陽射しの挿す角度の変わる午後の光に、何度も作品を見詰め直
して静かに楽しんでいるような作家がいる。
*豊平ヨシオ展ー3月5日〈日)-17日(日)
am12時ーpm7時;月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503