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テンポラリー通信

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2019年 02月 13日

重ねあうー時代というランド(17)

氷点下の気温が続いている。
血流が悪いのか、右手の指先が腫れている。
トイレの貯水タンクへの送水管が氷結で亀裂し水が溢れる。
水も火も風も厳冬は、自然の野生を露わにして人を襲う。
そうした自然野生を人は調節し、恵みに変えて生きる世界を
創ってきた。
文明とは本来そうした自然との調整インフラの発展と思える。
そして自然野生との調和ゾーンを、故里・故郷とも呼んだのだろう。

そうした先人たちの営々とした長い努力の文明・文化、いわば
地球の大気圏のような緩衝地帯・界(さかい)の世界が擦り減り
つつある現在が進行しつつあるような気がする。
自然と人間社会の界(さかい)が創り出した風土という文化。
その自然と人間が相渉る界(さかい)空間を現代は喪失しつつ、
科学技術の進歩・発展インフラに酔い傲慢化しているのではない
だろうか。

高臣大介と出会って2,3年後だっただろうか、彼が窓外の氷柱を
見て言った言葉を思い出す。
”あの氷柱と勝負してみたい”
無色透明な吹きガラスで作品を創っている千葉県生まれのガラス
作家は、この時初めて北の大地に垂れ下がる透明な氷柱にある
共感とある種の挑発を感じていたに違いない。
その挑戦が今回の展示で現実化しつつある。
吊る透明な硝子作品の上部に雪の苗床を造り、自然の氷柱が育ち
重なっていく。
この行為は風土というものの最もプリミテイブでラディカルな行為
ではないのか。
彼は氷柱の天地に、創造というカルチャー(耕土)の鍬を振り下ろ
している。

氷柱は今週末まで育ち続け、来週から始まるインスタレーション展示で
ガラスを媒介とした氷柱との競演は、正に<重ねあう>彼自身の人生、
生きる行為の精髄として表現される事だろう。

*高臣大介ガラス展「重ねあう」-前期・「器を主に」2月17日まで。
 後期・インスタレーション 2月19日ー2月24日まで。
*豊平ヨシオ展ー3月5日ー17日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503




by kakiten | 2019-02-13 13:10 | Comments(0)


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